退職の引き継ぎマニュアル保存版!期間目安・手順・間に合わない時の対処法まで紹介

退職の引き継ぎマニュアル保存版!期間目安・手順・間に合わない時の対処法まで紹介

退職が決まったものの、「引き継ぎは何から手をつければいい?」「期限までに間に合うだろうか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、退職日までのスケジュールの立て方、引き継ぎを効率よく進める手順、引き継ぎ書など資料作成のポイントを、実務に沿ってわかりやすく整理しました。

万が一スケジュールが厳しい場合の対処法や、引き継ぎの挨拶に使えるメール例文(社内/社外)も紹介しています。

必要なところから活用し、順を追って進めていきましょう。

本記事でわかること

  • 退職の引き継ぎ期間の目安とスケジュールの立て方
  • 退職する際の引き継ぎの手順と資料の作り方
  • 引き継ぎが間に合わない時の対処法
  • 【テンプレあり】退職の引き継ぎメール例文(社内/社外)
目次

退職の引き継ぎは「なぜ必要」?

退職の引き継ぎは「なぜ必要」?

退職時の引き継ぎは、担当していた業務を「次の人が同じ品質で回せる状態」にして引き渡すために必要です。

業務は個人に紐づいているように見えても、実際には会社の業務として継続していくものです。

そのため、業務が滞らないように整えて引き渡すことは、社会人として求められる基本的な責任といえます。

単に業務内容を伝えるだけでなく、進め方や判断基準まで整理して共有しておくことが重要です。

引き継ぎは「できればやるもの」ではなく、「業務を円滑に継続させるために欠かせない準備」と心得ましょう。

引き継ぎしないことで起きる3つのリスク

引き継ぎしないことで起きる3つのリスク

ここからは、引き継ぎが不十分なまま退職した場合に起こりやすい問題を、3つに分けて解説します。

社内トラブルが起きる可能性

引き継ぎ不足は、後任者やチームメンバーの負担増につながります

「聞いていない」「資料がない」「どこにデータがあるか分からない」といった事態が発生しやすく、上司・同僚との関係が悪化する原因になるでしょう。

また、退職後も問い合わせが続きやすくなり、円満退社から遠のくケースもあります。

会社の信用低下につながる可能性

引き継ぎが不十分だと、後任者が業務を把握できず、対応の遅れやミスが起きやすくなります

その結果、お客様や関係各所に迷惑がかかり、信用低下につながるおそれがあります。

場合によってはクレームに発展したり、最悪の場合は取引の縮小・終了といった影響が出ることもあります。

損害賠償責任を問われる可能性

引き継ぎが不十分だったことだけで、直ちに損害賠償が認められるとは限りません。

ただし、雇用契約上求められる範囲の対応を故意または過失で放棄し、その結果として会社に具体的な損害(例:顧客対応が停止して契約が打ち切られた等)が発生し、両者に因果関係がある場合は、債務不履行による損害賠償(民法415条)が問題となる可能性があります。

退職の引き継ぎ期間の目安とスケジュールの立て方

退職の引き継ぎ期間の目安とスケジュールの立て方

退職が決まったら、まずは「いつまでに引き継ぎを終える必要があるか」を把握し、逆算でスケジュールを組むことが重要です。

ここでは、引き継ぎ期間の目安と、会社ルール・有休消化も踏まえた退職日の決め方を整理します。

まずは退職の「最低ライン」と会社のルールを押さえよう

引き継ぎ期間を考える前に、まずは退職に関するルール(最低ライン)を押さえましょう。

法律上(期間の定めのない雇用の解約の申入れ|民法627条)では、期間の定めのない雇用契約(正社員など)の場合、退職の意思表示から2週間で雇用契約を終了できるとされています。

ただしこれはあくまで法的に可能な最短であり、実際には引き継ぎや社内手続きの都合で、これより前倒しの準備が必要になることが一般的です。

多くの企業では、円滑な引き継ぎを目的に「退職日の〇ヶ月前までに申告」などの社内規定(就業規則)が設けられています

目安としては1ヶ月前が多く、専門性の高い職種や管理職では2〜3ヶ月前とされるケースもあります。

退職日は引き継ぎ期間と有休から逆算して決める

引き継ぎは通常業務と並行して進めることが多く、有休消化は「引き継ぎの実働日数」には含めないのが一般的です。

たとえば退職日が3/31で、3/24から有休に入るなら、引き継ぎできる最終日は3/23までとなります。

まずは用語を整理します。

退職日:在籍が終了する日

最終出社日:実際に出社する最終日=引き継ぎできる最終日

ここからは、以下のステップをもとに退職日を算出してみましょう。

STEP
就業規則の「退職の申し出期限」(例:1か月前まで)を確認する
STEP
自分の業務に必要な引き継ぎの実働日数を見積もる(以下の早見表を参照)
STEP
実働日数を確保できるように最終出社日を決める
STEP
最終出社日+有休消化日数=退職日となるように設定する

実働日数の見積もりが甘いと引き継ぎが間に合わず、後任者やチームに負担を残してしまう可能性があります。

以下の早見表で目安を確認し、余裕を持った計画にするのが安全です。

【早見表】業務タイプ別にみる引き継ぎ期間の目安

ここでは、業務タイプ別に退職時の引き継ぎにかかる期間の目安を紹介します。

自分の業務がどのタイプに当てはまるのか確認し、引き継ぎ期間を算出するのにお役立てください。

スクロールできます
業務タイプ期間の目安該当する状況
ルーティン業務
(手順が決まっている)
〜2週間・マニュアルやチェックリストが整備されている

・自分以外の誰がやっても同じ流れで業務が進む
自分しか分からない業務が多い
(属人化)
3週間〜1ヶ月・自分の「勘」や「慣れ」で業務が回っており、他の人が同じように判断しにくい

・必用資料が共有されておらず、自分のPCフォルダ・メール・メモに散らばっている
調整・引き渡しが多い業務
(社外対応や、案件・権限の移管)
1ヶ月〜1ヶ月半以上・取引先への担当変更連絡が必要

・進行中タスクの再割り当てが必要

・アカウントや権限の移管がある

迷ったら「一番長い期間」で計画するのが安全です。

(例:ルーティン業務+社外調整=1ヶ月以上で見積もる)

「属人化」ってなに?

属人化とは、業務の進め方や判断基準が特定の人の経験や頭の中に依存していて、他の人が同じ品質で再現しにくい状態のことです。

簡単にいうと、担当者が病気や退職で不在になると、誰も代替できず業務が止まってしまう状態を指します。

よくある例

(例)情報を共有するルールやツールが存在せず、担当者の頭の中にしかノウハウがない
(例)履歴や資料が個人PCのフォルダや紙資料、メールなどに分散している
(例)独自のExcelマクロや特殊なシステム操作など、担当者しかシステムを使えない

引き継ぎのコツ

業務の可視化
自分が行っている業務を書き出し、担当業務の全体像を把握できるようにする

マニュアル作成
誰でも同じ手順で処理できるよう、具体的に文書化する

蓄積された知識・経験の共有
会議やツールでノウハウを共有し、チーム全体で対応できるようにする

すでに退職が決まっている場合でも、次の就職先が未定であれば、引き継ぎと並行して早めに転職活動を始めておくと安心です。

すぐに探し始めたい方は、以下の当社求人サイトをチェックしてみてください。

【退職における引き継ぎの進め方】手順・資料の作り方・コツをまとめて解説

【退職における引き継ぎの進め方】手順・資料の作り方・コツをまとめて解説

引き継ぎを始めてみると、想像以上にやることが多くて焦る人も少なくありません。

この章では、限られた期間でも漏れなく進められるように、引き継ぎの流れに沿って、「やること」「作る資料」「進め方のコツ」を整理します。

ステップ1. 業務を洗い出し、優先順位を付ける

まずは、現在自分が担当している業務をすべて洗い出します。

以下3つのジャンルに分けて考えると、引き継ぐべき内容を整理しやすくなり、漏れも防ぎやすくなるでしょう。

日常業務(毎日(都度)発生するもの)

定期業務(週次・月次・四半期など締め日があるもの)


案件プロジェクト(関係者が多い・期限や成果物があるもの)

そのうえで、業務ごとに優先順位(高・中・低)を付けましょう

業務洗い出しの見本

業務形態担当業務頻度
タイミング
優先度
日常業務問い合わせメールの一次対応随時
日常業務〇〇システムへの売上入力売上発生時
定期業務前月分日報のファイリング月初
(1日~5日の間)
定期業務目標数値の
スプレッドシート入力
月末
(最終営業日)
定期業務キックオフ資料の作成年度初め
(前年度の数字が出たら)
案件対応見積もり作成随時
プロジェクト対応競合他社の分析期間限定で進行
(〜〇月末まで)

優先度(高・中・低)の判断基準

優先度は「業務が止まったときの影響」と「期限の近さ」で決めるのが基本です。

迷ったら次の基準で振り分けましょう。

迷ったときの優先度判断基準(例つき)


止まると影響が大きい/締め切りが近い

(例)
売上・請求・支払いなどお金に直結する業務、取引先対応、法令や契約に関わる対応、重要会議の資料作成、進行中案件の次アクションが迫っているものなど


止まっても即致命傷にはならないが、遅れると影響が出る

(例)
週次・月次の更新作業、社内向けの定例レポート、通常の運用改善タスクなど


止まっても影響が小さく、後回しでもリカバリーしやすい

(例)
軽微な整理作業、過去資料の体裁修正、参考情報の収集など

同じ業務でも「締め直前」「トラブル中」は優先度が上がります

退職までの残り期間を踏まえて、状況に応じて見直しましょう。

ステップ1のゴール
担当業務を「日常」「定期」「案件/プロジェクト」に分類して一覧化し、優先度(高・中・低)をつけた状態にすること

ステップ2. 上司に「引き継ぎ範囲」と「引き継ぎ先」を確認する

ステップ1で作成した業務リストをもとに上司へ相談し、以下をすり合わせます。

すり合わせる内容

  • どの業務を、誰に引き継ぐか
  • そもそも引き継ぎが必要か(廃止・統合できないか)
  • 優先度の妥当性(何から渡すか)

上司と相談しながら進めることで、「何を・誰に・どこまで引き継ぐか」を早い段階で整理できます。

範囲が明確になると、やるべきことが見える化され、先が見えない不安もぐっと減ります

引き継ぎが億劫に感じやすいのは、作業量そのものよりも「全体像が見えない」「ゴールが曖昧」な状態が原因になりがちです。

ここをクリアにできれば、あとは優先順位に沿って淡々と進められるようになるでしょう。

ステップ2のゴール
引き継ぐ範囲を明確にし、引き継ぐ業務・担当者・優先順位(何から渡すか)を確定した状態にすること

ステップ3. 引き継ぎ書(業務引継書)を作る

引き継ぐ業務が整理できたら、それをもとに引き継ぎ書を作成します。

仮に「引き継ぎが間に合わない」などの理由で、口頭の説明時間が十分に取れなくても、資料があれば業務が止まらない状態に整えておくのが理想です。

具体的には、担当業務を「日常業務」「定期業務」「プロジェクト/案件」に分けて書き出したうえで、引き継ぎの優先順として以下の流れで整理すると漏れが減ります。

未処理タスク(やり残し)

進行中の案件(次アクションと期限があるもの)


直近の定期業務(今月の締切があるもの)


通常業務(日次・都度発生・ルーティン全体)


注意事項(イレギュラー対応・過去のトラブル・地雷ポイント)

さらに、各業務に「頻度」「締め日」を付けて一覧化しておくと、引き継ぎに必要なタイミングと順番を判断しやすくなります。

引き継ぎ書見本(日常業務

スクロールできます
業務頻度締め日現状(進行中/未処理)注意事項(例外/判断)関係者取引先使用ツール資料・保存場所
問い合わせ対応随時2件:対応中メール後のネクストアクション(例:〇日後にリマインドの電話を入れる)使用メールアドレス:info_xxx@〇〇.co.jp

よくある質問・NG回答・テンプレ格納先;URL貼付
商談内容の記録随時1件:未処理入力期限例:商談終了後、当日中に入力を完了)

スケジュールの申し送り例:毎週金曜日に〇〇係長と入力内容についての面談あり)
提出先:営業部〇〇係長(内線xxx)入力先フォーマット:共通/営業/商談記録入力

入力ルール:Drive/営業/運用ルール

引き継ぎ書見本(定期業務

スクロールできます
業務頻度・締め日現状(進行中/未処理)注意事項(例外/判断)関係者・取引先使用ツール・資料・保存場所
売上数値の入力月末(最終営業日)3月分:入力前抽出条件例:キャンセル分は除外する)

修正履歴の扱い例:過去数値の修正は、○○課長へ報告必須)
本社営業部〇〇課長(会社携帯 xxx-xxxx-xxxx)数値引用元:社内ダッシュボード内の「月次サマリー」から、〇日の確定値を引用

入力先フォーマット:共通フォルダ/営業/売上

入力手順:画面キャプチャ貼付
未収金確認と督促毎月15日まで4月分:対応前督促の判断基準例:顧客の締め日に注意)

督促前
の入金確認を徹底例:督促の連絡を入れる直前に、必ず経理経由で最新の入金を確認する)
経理〇〇さん(内線xxx)顧客締日の確認場所:共通フォルダ/営業/顧客情報

引き継ぎ書見本(プロジェクト/案件

スクロールできます
業務頻度・締め日現状(進行中/未処理)注意事項(例外/判断)関係者・取引先使用ツール・資料・保存場所
見積書作成随時1件:対応中値引き限界値例:定価〇%までは担当者判断、それ以上は○○係長の承認が必要)

付帯条件例:振込手数料はA社負担)

アカウントの申請例:見積管理システムを新規で利用する場合は、情報システム部へ申請を行い、個人IDを取得する)
見積もりについて:営業部〇〇係長(内線xxx)

アカウント申請について:本社情報システム部〇〇課長(xx-xxxx-xxxx)
見積管理システムの所在:社内ダッシュボード

利用手順:画面キャプチャ貼付
競合他社の分析期間限定(〜4月末まで)進行中:情報収集中(3月20日に全体ミーティングあり)分析の目的例:既存商品の価格改定の判断材料にするため、競合の価格・条件・訴求点等を整理)

情報の信憑性を維持するためのルール例:一次情報と二次情報は切り分けて記載)
プロジェクトリーダー:営業部〇〇係長(内線xxx)

分析結果提出先:本社営業部〇〇課長(会社携帯 xxx-xxxx-xxxx)
分析途中情報の所在:共通フォルダ/営業企画/競合他社分析


過去資料の所在:Drive/営業企画/競合分析

ステップ3のゴール
後任が「目を通して→実行して→判断できる」レベルまで情報が揃っている状態にする

ステップ4. 引き継ぎのスケジュールを作成する

引き継ぎ書が整ったら、スケジュールをカレンダーに落とし込んでいき、予定を見える化します。

ポイントは、重要度の高い業務から先に「説明→同席→後任の実施→レビュー」の順に組むことです。

最終日間近にバタつかないよう、最終出社日の3営業日前には引き継ぎが一通り完了している状態が理想です。

ステップ4のゴール
「いつ・誰に・何を・どの順番で渡すか」がカレンダーに落ちている状態にする

ステップ5. 後任者へ業務を引き継ぐ

引き継ぎは「説明して終わり」ではなく、後任が実際に手を動かして同じ手順で処理できるかを確認します。

最終出社日までに、一度は後任主導で実施してもらいましょう。

ミスや詰まりやすい点はその場で補足し、併せて引き継ぎ書へも加筆します。

ステップ5のゴール
後任が一人で仕事を回すことができ、迷ったときでも資料で自己解決できる状態にする

ステップ6. 社内外の関係者へ連絡する

社内外の関係者へ、担当者変更(窓口変更)を共有します。

窓口変更が必要な取引先には、早めに連絡し、状況に応じて後任と一緒に挨拶に伺う(またはオンラインで挨拶する)段取りを取りましょう。

記事後半では、【テンプレあり】退職・担当変更の引き継ぎメール例文(社内/社外)の章にて、メールでの挨拶に使えるテンプレートと送信前の注意点をまとめてあります。

ステップ6のゴール
問い合わせ・依頼の窓口が後任に切り替わった状態にする

ステップ7. 最終確認(抜け漏れ・権限・未処理のチェック)

退職直前は想定外の依頼が入りやすい時期です。

引き継ぎ書で最終確認しながら、未完了タスク/進行中案件(次アクション・期限)/権限・アカウント/関係者への周知状況を最終確認し、抜け漏れを潰します。

ステップ7のゴール
未処理が残っておらず、業務が止まらない状態で退職日を迎えられる状態にする

「退職の引き継ぎが間に合わない!」そんな時の対処法

「退職の引き継ぎが間に合わない!」そんな時の対処法

計画どおりに引き継ぎを進めていても、通常業務の繁忙や急な依頼、関係者の予定変更などで、引き継ぎが遅れることは珍しくありません。

この章では、引き継ぎが間に合わないと感じたときに、有休消化と両立しながら現実的に着地させるための考え方と対処法を整理します。

まずやるべきは優先順位の付け直し

引き継ぎが押してきたときは、まず「全部やる」前提をやめて、優先順位を付け直すのが先決です。

社内で重要度が高い業務、自分しかわからない業務(属人化)から順に、引き継ぎの比重を置きましょう。

また、時間が足りないときほど、後任者が自力で進められるように、「【退職における引き継ぎの進め方】手順・資料の作り方・コツをまとめて解説」で紹介した引き継ぎ書(手順・判断基準・保存場所・連絡先)を完成させることを最優先にするのがおすすめです。

口頭の説明が十分に取れなくても、引き継ぎ書が整っていれば、後任者は後から確認できます。

引き継ぎが間に合わない時の現実的な落としどころ

時間が足りないときは、次の方法を組み合わせて調整しましょう。

スクロールできます
対処法具体例(何をする?)こんなときに有効注意点(トラブル回避)
引き継ぎ範囲を絞る優先度「低」の業務は、手順だけ文書化して口頭説明は省略残り実働が少ない

業務量が明らかに多い
「何をやらないか」を上司と合意のうえ決定する
(言った言わない防止)
口頭→文書中心に切り替える引き継ぎ書を手厚くする(手順・判断基準など)説明の時間が取れない

引き継ぎ量が多く、後任者の理解が追いつきにくい
文書の保存場所の所在を明確にする
同席・OJTを短時間で行う30分×数回で「締め作業だけ」「重要顧客だけ」など要点に絞って同席完全な文書化が難しく、実演が必要目的を絞り、短時間で要点だけ共有する
(重要業務・締め作業・イレギュラー対応などを中心に)
有休の取り方を見直す有休を分割し、関係者の予定に合わせる後任・関係者の予定が合わない有休取得は早めに相談
(直前変更は摩擦になりやすい)

退職前の有給休暇は「まとめて取るもの」と思われがちですが、「いつ、どれだけ使うか」決める権利は労働者にあるため、退職日前にまとめて取ることも、分割して取ることも可能です。

【テンプレあり】退職・担当変更の引き継ぎメール例文(社内/社外)

【テンプレあり】退職・担当変更の引き継ぎメール例文(社内/社外)

退職時は、社内(関係部署)と社外(取引先)それぞれに、担当変更と後任者を簡潔に伝える必要があります。

ここではメールでのご挨拶に使えるテンプレートと送信前の注意点をまとめました。

社内(関係部署)への「全体周知」テンプレ

関係部署へは、担当変更の事実と新しい窓口を早めに共有して、問い合わせの混乱を防ぎます。

本文には、「退社日」「後任者」「引き継ぎ開始日」「今後の連絡先」を最低限入れておくと安心です。

件名 【退職・担当変更のご連絡】○○業務の窓口について/○○部△△(自分の氏名)

宛先 営業部各位 総務部各位 など

お疲れ様です。○○部の△△(自分の氏名)です。

私事で恐縮ですが、○月○日で退社することとなりました。

つきましては、現在担当しております○○業務(例:~案件・~対応など)の窓口は、○○部□□(後任の氏名)へ引き継ぎます。

○月〇日以降(引き継ぎ開始日)のご連絡は、以下の後任あてにお願い致します。


後任:□□(後任の氏名)
内線:×××
メール:×××


在職中は多大なるご支援を賜り、誠にありがとうございました。
引き続きご協力のほど、よろしくお願いいたします。

○○部△△(自分の氏名)
内線:×××
メール:×××

社内(関係部署)で特にお世話になった人への「個別」テンプレ

全体周知とは別に、日頃やり取りが多かった方には個別に一言添えると印象がよく、引き継ぎもスムーズになるでしょう。

必要に応じて、未完了事項や注意点(例:現状で動いている案件・次回の打合せなど)を1~2行だけ補足します。

件名 退職のご挨拶|○○部△△(自分の氏名)

宛先 ○○ 様

お疲れ様です。○○部の△△(自分の氏名)です。

私事で恐縮ですが、○月○日で退社することとなりました。

○○様には、○○の件(例:日々の相談・立ち上げ・案件対応など)で大変お世話になり、心より御礼申し上げます。

後任は、○○部□□(後任の氏名)が担当します。

○月〇日以降(引き継ぎ開始日)のご連絡は、以下の後任あてにお願い致します。

後任:□□(後任の氏名)
内線:×××
メール:×××


本来であれば直接ご挨拶すべきところ、メールでのご連絡となり申し訳ございません。

末筆ながら、○○様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。

○○部△△(自分の氏名)
内線:×××
メール:×××

社外(取引先)への「退職・担当変更(後任紹介)」テンプレ

取引先への連絡は、窓口変更を明確にしつつ、今後も滞りなく対応できることを伝えるのが目的です。

メールだけでなく、重要な取引先は後任同席で挨拶の場(訪問やオンライン)を設けると、関係の断絶を防げます。

件名 退職のご挨拶(担当変更のご連絡)|○○株式会社△△(自分の氏名)

宛先 ○○株式会社 〇〇 様

平素より大変お世話になっております。○○部の△△(自分の氏名)です。

私事で恐縮ですが、一身上の都合により○月○日をもちまして退社することとなりました。

これまでのご厚情に心より御礼申し上げます。

つきまして、今後の後任担当は、同じく○○部□□(後任の氏名)が務めます。

○月〇日以降(引き継ぎ開始日)のご連絡は、以下の後任宛てにお願い致します。

後任:□□(後任の氏名)
電話:×××
メール:×××


本来であれば直接ご挨拶申し上げるべきところ、メールでのご連絡となりますことをお詫び申し上げます。
末筆ながら、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。

○○株式会社△△(自分の氏名)
電話:×××
メール:×××

訪問する場合(後日挨拶に伺う)の差し替え文

後日、後任の□□とともにご挨拶に伺います。日程につきましては、改めて電話にてご連絡申し上げます。

【チェックリスト】送信前の注意点

メールが最後のご挨拶になることもあるため、送信前に不備がないかを入念に確認しましょう。

ここでは、退職・担当変更のメールを送る際に特に間違えやすいポイントをまとめました。

送信前のチェックに活用ください。

  • 宛先(TO/CC/BCC)に漏れがないか
  • 逆に宛先に不要な人が入っていないか
  • 情報(部署名・役職・氏名・敬称)に誤りはないか
  • 機密情報(案件の金額・社内事情・退職理由の詳細など)を書いていないか
  • 後任者の連絡先や窓口変更が明確か
  • 添付ファイル・署名・社名・件名に誤りがないか
  • 転送されても問題ない内容か(社外メールは特に)
引き継ぎの連絡に電話は必要?

結論からお伝えすると、電話は必須ではありません

ただし、退職時の連絡は単に「挨拶」だけでなく、担当変更(今後の窓口)を確実に伝えることが目的なので、相手や状況によって連絡手段を選ぶのが大切です。

メールのみで問題ないケース

  • 取引頻度が高くなく、定型的なやり取りが中心
  • 後任者への切り替えがスムーズに進みそう
  • 連絡先や対応範囲をメールで明確に伝えることができる

電話(または訪問)も検討したいケース

  • 重要顧客や関係性が深い顧客
  • 案件が進行中の顧客
  • トラブル対応中の顧客
  • 相手先が電話中心の文化で、メールをよく見落とされる
  • 変更点(担当・体制・進め方)が多く、誤解が起きる可能性がある

なお、電話で伝える場合でも、後から確認できるように担当変更のメールは必ず送って、記録を残すのがおすすめです。

明記すべきこと

  • 後任者の氏名
  • 連絡先
  • 引き継ぎ日 など

退職時の引き継ぎに関するQ&A

退職時の引き継ぎに関するQ&A

最後に、退職時の引き継ぎに関する疑問をQ&A形式でわかりやすくまとめました。

後任がいませんが退職の引き継ぎはどうしたらよいですか?

後任者がいない場合、引き継ぎの中心は文書化(引き継ぎ書)になります。

ポイントは、「誰が見ても同じように業務を再開できる状態」にしておくことです。

最低限、引き継ぎ書には次の項目をまとめましょう。

  • 業務一覧(頻度・締め日も添えて)
  • 手順(マニュアルがない場合)と判断基準
  • 関係者の情報(社内外)
  • 資料やデータの保存場所・使用ツール
  • 進行中タスクの状況(未完了分とその期限)

引き継ぎ書の作り方や見本は、記事前半で詳しく解説しています。

【退職における引き継ぎの進め方】手順・資料の作り方・コツをまとめて解説

実演が必要で文書化が難しい業務はどうするとよいですか?

実演が必要な業務は、文章だけだと伝わりにくいため「見てわかる資料」に寄せると効果的です。

例:PC操作(操作系)

Excelやスプレッドシートに、次の形でまとめると見返しやすくなります。

  1. 画面のスクリーンショットをとる
  2. 操作のコツを記入する
  3. 注意点も併記する(よくあるミスやイレギュラー時の対応方法)

例:承認や判断が絡む業務(判断系)

実演が難しい場合は、操作手順よりも判断材料を残すと後任者が再現しやすくなります。

  1. 何を見てOK/NGを決めるか(チェック観点)
  2. イレギュラーなパターンと対応例
  3. 迷った時の相談先(関係部署等)

例:対人調整・問い合わせ対応(コミュニケーション系)

やり方よりも「型」を残すと引き継ぎやすいでしょう。

  1. よくある問い合わせと回答例をQ&A形式でまとめる
  2. メール文面のテンプレ(特にお詫びや催促など)
  3. クレームなどがあった案件の要点(背景・注意点・地雷ポイント)
退職後に引き継ぎの問い合わせが来たら、対応しないといけませんか?

原則として、退職後は対応する義務はありません。

なぜなら、雇用契約が終了しているからです。

ただし、退職後に連絡が来ること自体は珍しいことではなく、協力する場合は、トラブル回避のため次の点を公言しておくと安心です。

対応範囲(どこまで答えるか)
事実確認のみ

回数・期限(何回まで・いつまで)
3回まで・退職後2週間以内

回答ツール(連絡をとる手段)
電話のみ

「善意で対応したのに、追加対応が常態化する」ケースがあるため、線引きは重要です。

引き継ぎが面倒でストレスです。どうすればよいですか?

引き継ぎが億劫に感じる原因は、たいてい「何をしたらよいかわからない」「期限に対して量が多い」「引き継ぎの範囲が曖昧」のどれかです。

次の3点を押さえると、負担を下げやすくなります。

業務を可視化する
業務をすべて洗い出し、やるべきことを可視化する

引き継ぐ範囲を明確にする
「最低限ここまでやる」を上司と合意し、優先順位を付ける
(全部を完璧にこなそうとしない)

業務量が明らかに多い場合は、「残り実務日数」と「必要工数」を出して、現実的に終わる範囲に調整しましょう。

引き継ぎの過程でパワハラのような対応をされたら、どうすればよいですか?

退職前後の引継ぎでは、次のような行為がハラスメントにあたる可能性があります。

ハラスメントの一例

  • 明らかに終わらない分量の資料作成を強要される
  • 退職直前に、意図的に困難な案件を押し付けられる
  • 有給消化を妨害される
  • 大声で叱責・人格否定・威圧的な言動をされる

まずは「いつ・誰が・何を言った」をメモし、証拠を確保(メール・録音など)します。

そのうえで、社内の相談窓口(人事やコンプライアンス室など)に相談し、改善が見込めないようなら外部機関(労働局の総合労働相談コーナーや日本司法支援センター(法テラス)等)への相談も検討してください。

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計画(いつまでに)・範囲(どこまで)・資料(どうやるか)の3つを整える

計画(いつまでに)・範囲(どこまで)・資料(どうやるか)の3つを整える

引き継ぎが面倒に感じる方も、間に合わないかもと不安な方も、まずは引き継ぎの締切(いつまでに終える必要があるか)を押さえ、そこから逆算してスケジュールを組むことが大切です。

余裕をもって動けるだけで、精神的にも体力的にも負担が減り、無理なく進めやすくなります。

あわせて、早い段階で上司と「最低限どこまで対応するか」をすり合わせておくと、範囲が明確になり、出口の見えない不安も減らせるでしょう。

さらに、引き継ぎ書をきちんと作っておけば、あとは資料に沿って進めるだけでよくなり、手探りの負担が軽くなります。

計画(いつまでに)・範囲(どこまで)・資料(どうやるか)の3つを整えることで、引き継ぎはぐっと進めやすくなります。

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