30代で転職するならこの業界！将来性・安定性のあるおすすめ6選を紹介

30代は、これまでのキャリアを振り返り「このままでいいのかな？」と将来について考え始める人が多い年代です。

仕事にも慣れ、ある程度の経験やスキルを積んできたからこそ、次のステップとして「転職」が現実的な選択肢になってきますよね。

しかし、気になるのは「どの業界に転職すればいいのか？」ということです。

求人を探すときは、つい「仕事内容（職種）」ばかりに注目しがちですが、実は「どの分野（業界）で働くか」によっても、働き方や将来のキャリアが大きく変わってきます。

たとえば、同じ営業職でも、IT企業と物流企業では求められる知識や日々の業務内容に大きな違いがあります。

本記事では、30代での転職を考えている方に向けて、未経験でも挑戦しやすく将来性のある「おすすめの業界」や、30代におすすめの資格やスキル、転職成功のための対策や注意点についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

30代の転職市場は挑戦しやすい環境

近年、日本では多くの業界で人手不足が深刻化しており、転職希望者にとって有利な状況が続いています。

特にIT、医療・介護、建設、物流といったインフラ業界では慢性的な人材不足が続いており、「未経験可」を掲げる企業も多いです。

厚生労働省の「労働経済動向調査（令和6年8月）」によると、調査対象の企業のうち49％が「正社員が不足している」と回答しています。

また、厚生労働省の「雇用動向調査結果の概況」からは、30代の転職成功者も増加傾向にあることが分かります。​

今の転職市場は、30代が新しい業界にチャレンジするには挑戦しやすいタイミングです。業界全体の人材需要が高まる今こそ、自分に合った業界へ一歩踏み出すチャンスです。

30代で転職する業界の選び方

30代の転職はこれまで経験を積み重ねてきたからこそ、次の一歩は慎重に選びたいところです。

ここでは、30代が後悔しない転職をするために、業界選びでチェックしたい4つの視点をわかりやすく解説します。

将来性・安定性がある業界を選ぶ

これからの時代に成長していく業界かどうかは、転職先を選ぶうえで大切なポイントです。

たとえば、少子高齢化が進んでいることで介護や医療の仕事が増えたり、デジタル化が進むことでIT関連の仕事のニーズが高まったりしています。

このように、社会の変化に合わせて必要とされる業界は、将来も仕事が安定していて長く働きやすいと言えます。

未経験からでもチャレンジしやすい業界を選ぶ

30代で異業種への転職を考えている人にとって、未経験からでもチャレンジしやすい業界を選ぶことも重要です。

未経験者を前提にした育成体制が整っている業界であれば、安心して新たなスタートを切ることができます。

たとえば、研修制度があり教育担当がつく企業なら、未経験でも安心して仕事を始められます。

人手不足が続いている介護・医療、物流、ITなどの業界では「未経験OK」や「研修充実」といった求人も多く、未経験者を積極的に受け入れる動きが広がっています。

スキルが活かせる・伸ばせる業界を選ぶ

30代の転職では、これまでに身につけたスキルや経験を活かせる業界を選ぶことも、転職を有利にすすめる上で重要なポイントです。

たとえば、営業や接客で培ったコミュニケーション力は、人材業界や不動産業界などの、カスタマーサポートや顧客対応の多い業界で重宝されるでしょう。

ExcelやWordを使った事務処理のスキルは、IT業界の営業アシスタントや、物流・製造業界の事務職でも即戦力として活かせます。

こうしたスキルは業界を越えて求められるため、自分の強みを活かせる業界を選べば、転職後もスムーズに働けるでしょう。

働き方の柔軟性やワークライフバランスも考慮する

30代は、結婚や子育て、介護などライフスタイルが変化しやすい時期です。仕事とプライベートのバランスを考えた働き方を重視する人が増える時期でもあります。

リモートワークやフレックス制度、時短勤務など、柔軟な働き方ができるかどうかは、転職先を選ぶうえで大切な視点です。特にIT業界や一部の専門職では、時間や場所にとらわれない働き方が広がっています。

働きやすい環境が整っていれば、無理なく長く働き続けることができ、結果的にキャリアの安定にもつながるでしょう。

30代の転職におすすめの業界6選

将来性・安定性があり、30代でも未経験から挑戦しやすいおすすめの業界6つを紹介します。

1. IT業界｜将来性が高い・柔軟な働き方ができる

IT業界はAIやクラウド、Webサービスの普及により、今後も成長が見込まれている分野です。

企業のデジタル化が進む中で、エンジニアやITサポートなどの人材ニーズが年々高まっており、30代からの転職先としても非常に注目されています。

この業界では、論理的に物ごとを考える力や、トラブルに冷静に対応する力、さらには学ぶ意欲や情報収集力が活かされます。

これまで営業や事務など他職種で働いてきた人も、ITリテラシーやパソコン操作に自信があれば未経験からでもスタートしやすい業界です。

IT業界には、以下のような職種があります。

プログラミングスクールやeラーニング、企業内の研修制度を活用すれば、未経験からエンジニアやWeb系職種に転向もできます。

リモートワークやフレックス制度が整った企業も多く、柔軟な働き方ができる点も魅力。ワークライフバランスを大切にしながらキャリアを築きたい人にとって、非常に相性の良い業界といえます。

2. 介護・医療業界｜ニーズ拡大中・資格支援あり

日本では高齢化が進んでおり、介護・医療の現場では今後も人材のニーズが高まると予想されています。特に介護職は全国的に人手不足が深刻で、30代の未経験者を受け入れる施設も多いです。

この業界では、これまでの社会人経験で身につけた気配りやコミュニケーション力、思いやりのある対応などが大きな強みになります。人と関わる仕事が好きな人、相手の立場に立って考えられる人には向いている分野です。

介護・医療業界には、以下のような職種があります。

未経験からスタートしやすい仕事が多いだけでなく、働きながら資格取得を支援する制度を用意している施設も多いため、ステップアップしながら長く働ける環境が整っています。

介護福祉士や実務者研修など、国家資格に挑戦する人も増えており、「一生使えるスキルを身につけたい」と考える人にとっては非常に魅力的な業界です。

3. 建設・インフラ業界｜安定性が高い・手に職がつく

道路や橋、上下水道、電気設備などのインフラ整備は、社会に欠かせない仕事です。建物の新設や修繕も含め、景気に左右されにくい安定性の高い業界として、30代からの転職先に注目されています。

この業界では、体を動かす仕事が多いため、体力や継続力、丁寧さ、チームワークといったスキルが活かされます。

未経験からのスタートでも、先輩社員のサポートや研修制度が充実している企業が多く、30代でのチャレンジも十分可能です。

建設・インフラ業界には、以下のような職種があります。

手に職をつけたい、専門技術を身につけて長く働きたいという人には、非常に相性の良い業界です。

経験を積めば資格取得やキャリアアップの道も広がり、将来的には現場管理者や技術指導者を目指せます。

4. 物流・運輸業界｜人手不足で採用活発

インターネット通販や宅配サービスの拡大にともない、物流・運輸業界は今もなお成長を続けている分野です。人手不足が深刻な状況が続いており、30代の未経験者でも採用されやすい環境が整っています。

この業界では、これまでの社会人経験で培った責任感、時間管理能力、体力・集中力といったスキルが活かされます。

決まった時間に確実に仕事をこなす力や、お客様との丁寧なやりとりが求められるため、接客業や販売職などの経験も役立つでしょう。

物流・運輸業界には、以下のような職種があります。

最近では、働き方改革に取り組む企業も増えており、休日取得の柔軟性や労働時間の見直しなど、以前よりも働きやすい職場環境が整いつつあります。

「安定して働きたい」「人の役に立つ仕事がしたい」と考える人にとって、やりがいのある業界です。

5. 製造業｜技術職へのステップアップも

製造業というと、ライン作業やルーチンワークを思い浮かべる人も多いかもしれません。ですが、近年ではAI・ロボット技術の導入など、技術革新が進む「先端分野」での活躍の場が広がっています。

製造業では、これまでの社会人経験で培った正確さ、チームでの協力、段取り力が活かされます。とくに、地道に努力を積み重ねられる人や、決まったことを確実にこなせる人は、現場で高く評価される傾向にあります。

未経験からでもスタートしやすいオペレーター職やライン作業から入り、機械保全、品質管理、生産管理、製造プロセスの改善などの技術職へのステップアップも可能です。

製造業の職種には、以下のようなものがあります。

ものづくりの現場では、「技術を身につけて一人前になっていく」という実感を得やすく、コツコツと成長していきたい人にとっては、大きなやりがいを感じられる環境です。安定した需要がある分野でもあるため、将来的な安心感も得られるでしょう。

6. コンサルタント業界｜社会人経験を活かしやすい

コンサルタント業界は、企業や組織の課題を見つけ出し、解決に向けた提案や支援を行う仕事です。専門性が高いイメージがありますが、30代の社会人経験を活かしやすく、異業種からの転職も十分可能な業界です。

今までの社会人経験の中で培った「課題発見力」「コミュニケーション力」は、コンサルタントとしても大きな武器になります。

企業によっては、未経験者向けの研修制度を設けているところもあり、30代からのキャリアチェンジを歓迎する風土があります。

コンサルタント業界には、以下のような職種があります。

企業の経営層と近い距離で仕事をする機会が多く、仕事を通じて考え方のレベルが上がり、自分の成長につながります。自分の市場価値を高めていきたい人にとってやりがいのある選択肢といえるでしょう。

業界が決まったら、次は「どんな職種に就くか」

転職を考えるとき「どの業界に進むか」はとても大切な選択です。そして、それと同じくらい重要なのが「その業界でどんな職種に就くか」という視点です。

同じ業界であっても、選ぶ職種によって仕事内容や働き方、求められるスキルは大きく変わります。たとえば、IT業界の中でも、エンジニアと営業職では一日の過ごし方もキャリアの築き方もまったく違います。

これまでの経験を活かす職種・今までと同じ職種を選ぶ

30代からの転職では、これまでの経験を活かせる職種を選ぶことも、転職成功への近道といえるでしょう。

「今の仕事と同じ職種を、別の業界で続けてみる」という選び方も有効です。たとえば、営業職として経験がある人なら、業界を変えてもそのスキルは重宝されることが多く、即戦力としての転職がしやすくなります。

職種によって年収の幅も変わる

同じ業界でも、職種によって年収は異なります。将来的な収入をイメージしながら仕事を選ぶことも大切です。

たとえば、以下のように職種ごとに年収の目安は異なります。

職種	想定年収	備考
営業職	350万円〜550万円	インセンティブや業界によって大きく変動する
事務職（一般・営業）	280万円〜400万円	年収が安定しやすい
エンジニア（IT・製造）	400万円〜600万円	専門スキルで高年収も可能
経理・財務職	400万円〜550万円	業界規模や管理職経験で差が出やすい
マーケティング職	450万円〜650万円	IT・メーカーなどで需要が高い

転職を考えるうえで、職種ごとの年収をあらかじめ把握しておくことは非常に重要です。
希望する業界・職種の収入水準を知っておくと、将来のライフプランやキャリア設計にも役立ちます。

求人ジャーナルネット給与サーチでは、実際の求人情報をもとに、エリア別・職種別の平均年収を掲載しています。
ご自身の希望条件に近い仕事の収入目安を確認してみましょう。

30代の新しい業界への転職に役立つ！おすすめの資格・スキル

30代で異業種への転職を考える場合、「経験がない」というハードルを感じる方も少なくありません。

しかし、実際には多くの企業が「意欲」や「将来性」を重視しており、資格やスキルを持っていれば、未経験からのチャレンジでもさらにチャンスが広がります。

ここでは、業界ごとに役立つ資格・スキルをピックアップしました。

転職活動の準備として、ぜひ参考にしてみてください。

IT業界に役立つ資格・スキル

IT業界は常に進化を続ける分野であり、基本的なITリテラシーから専門技術まで、幅広いスキルが求められます。未経験からでも取り組みやすい資格も多いため、最初のステップとして取得を目指す人も少なくありません。

介護・医療業界に役立つ資格・スキル

高齢化の進行に伴い、介護・医療分野の人材需要は今後も拡大していくと考えられます。特に介護職は資格制度が明確に整っており、段階的なキャリアアップが目指せるのも特徴です。

建設業界に役立つ資格・スキル

建設・インフラ業界は「手に職」が求められる現場が多く、資格の有無が採用や待遇に大きく影響する職種が多数存在します。30代からでも資格を取得してステップアップを目指す人が増えています。

物流・製造業界に役立つ資格・スキル

物流や製造分野では、機械操作や安全管理に関する資格が、採用時に優遇されるケースもあります。作業現場で即戦力となれるスキルが重視されるため、現場系資格の取得は大きな強みです。

今持っているスキルを活かそう！ポータブルスキル

30代の転職では、「これから身につけるスキル」だけでなく、「今すでに持っているスキル」にも目を向けてみましょう。

どの業界・職種でも通用する「持ち運べるスキル」を「ポータブルスキル」といいます。業界や職種を問わず活かせる「ポータブルスキル」は、未経験転職でも高く評価されるポイントになります。

以下にポータブルスキルの例をご紹介します。自分の持っているポータブルスキルを確認し、転職活動の際に自分の強みとして伝えましょう。

30代転職成功のための5つの対策

30代の転職では、企業側も「即戦力性」や「目的意識」を重視する傾向にあるため、しっかりと準備をして臨むことが成功のカギです。

以下の5つの対策を意識して、着実にステップを踏んでいきましょう。

1. 自己分析をして強みを言語化する

30代の転職では、自分の「何が強みなのか」を明確に伝えられるかどうかが、採用に大きく影響します。これまでの職務経歴を振り返り、どんな成果を出してきたか、どんな場面で力を発揮できたかを具体的に整理しましょう。

価値観や働き方の希望、やりがいを感じた瞬間なども振り返ることで、企業とのマッチング度を高められます。志望動機や面接での受け答えにも直結するため、早い段階で自己分析に取り組んでおくとよいでしょう。

2. 業界研究をしっかり行う

新しい業界に転職する際には、その業界の特性や働き方、将来性をよく理解しておくことが重要です。

たとえば、IT業界ならスピード感や自学習が求められる傾向がありますし、介護業界なら体力面や人との関わりが大きいといった特徴があります。

単に「安定していそう」「人気がある」という印象だけで選ぶのではなく、自分の性格やキャリアプランに合っているかどうかを見極めるためのリサーチが欠かせません。

まずは関心のある企業の公式サイトや採用情報ページなどから情報を得てみましょう。

3. 30代の転職は「活かせる経験」がポイント

30代は、20代のようなポテンシャル採用とは異なり、「これまでの経験をどう活かすか」が問われます。

たとえば、営業経験がある人は業界が変わっても提案力やコミュニケーション力が活かせますし、事務職の経験があればバックオフィス業務全般への応用が可能です。

異業種でも通用するスキルを見つけ、自分の強みとしてアピールできれば、未経験分野でも即戦力として評価されやすくなります。

4. 資格・スキルを身につける

未経験の業界に挑戦する場合、資格やスキルを身につければ、応募できる求人の幅が広がります。

たとえば、IT業界では「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」、介護業界では「介護職員初任者研修」など、未経験者でも取得しやすく、基礎知識を証明できる資格があります。

これらの資格が応募条件となっている求人もあり、選考で有利に働く場合が多いでしょう。

Excel・Wordといった基本的なPCスキルや業界ごとの専門知識を身につけておくと、書類選考の通過率が上がるだけでなく、入社後にも役立つはずです。

5. 転職エージェントを活用する

転職活動を一人で進めるのは、情報収集から応募書類の作成、面接対策まで想像以上に手間がかかります。そこで活用したいのが、転職エージェントです。

キャリア相談はもちろん、非公開求人の紹介や条件交渉のサポートなど、プロならではのノウハウを活用し、より効率的に転職活動を進められます。特に、時間の限られた在職中の方には強い味方になります。

求人ジャーナル転職エージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが一人ひとりに寄り添い、あなたに合った求人の提案から応募書類の添削、面接対策まで完全無料でしっかりサポートします。

転職活動が初めての方や、今の仕事を続けながら進めたい方でも安心して利用できます。ぜひ活用してみてください。

転職成功のための注意点

30代での転職は、経験やスキルを活かせるチャンスがある一方で、20代の頃とは違った準備が必要になります。

ここでは、30代の転職を成功に導くための4つの注意点をご紹介します。

「安定していそう」だけで業界を選ばない

「安定していそうだから」「ニュースでよく聞くから」という理由だけで業界を選んでしまうと、入社後に「思っていた仕事と違う」と感じるケースもあります。

大切なのは、その業界で自分がどのように働き、どんな貢献ができそうかをイメージできるかどうかです。業界分析だけでなく、職種選びや社風との相性まで含めた情報収集を行いましょう。

「未経験歓迎」の言葉に安心しすぎない

求人票に「未経験歓迎」と書かれていても、それが「誰でもすぐに活躍できる」という意味とは限りません。実際には、基本的な社会人スキルや業界への理解、一定の学習意欲を求められることも多くあります。

特に30代は即戦力としての期待がかかるため、「未経験歓迎」という言葉に甘えすぎず、事前に業務内容や必要なスキルをしっかり確認し、最低限の準備をしておくことが大切です。

在職中に転職活動をしよう

「とりあえず辞めてから考えよう」と思いがちですが、転職活動には思った以上に時間がかかるものです。退職後に始めてしまうと、収入が途切れる不安から、焦ってミスマッチな企業に決めてしまう可能性もあります。

理想的なのは、在職中から少しずつ準備を始めることです。余裕を持って求人を探したり、面接の練習をしたりできるので、落ち着いた判断ができるようになります。

年収が下がることもある

異業種・未経験の職種へ転職する場合、これまでの経験がそのまま評価されにくく、初年度の年収が下がるケースも珍しくありません。

ただし、それを「損」ととらえるのではなく、長期的に見てキャリアアップできる環境に飛び込む投資と考えることが大切です。

将来的にスキルを磨き、数年後に希望年収を実現するイメージを持てるかどうかが、転職の満足度を左右します。

30代は業界から考える転職で成功が近づく　

ここまでご紹介してきたように、30代の転職では、「どの業界に進むか」を軸に考えることが成功への第一歩になります。

業界ごとの特徴や将来性を知ったうえで、自分に合った職種を見極め、活かせるスキルや伸ばすべきスキルを整理しましょう。

30代は、まだまだ新しい挑戦ができる年代です。これまでの経験を強みに変えながら、少し先の未来を見据えて一歩踏み出してみましょう。