医療機関の「顔」として、受付や会計、書類作成など幅広い業務を担う医療事務。
その業務の広さゆえに「どんな仕事内容なの?」「未経験でもできるの?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、医療事務の基礎知識から、実際の仕事内容、必要なスキル、向いている人の特徴まで、未経験から医療事務を目指す方や、転職を検討している方に向けてわかりやすく解説します。
さらに、医療事務として活躍できる職場の種類や、転職成功のポイント、将来性についてのQ&Aも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

- 立教大学大学院にてブランドマーケティングの講座担当
- 名誉きき酒師、著作多数(70冊以上)
詳しく見る
- 1987年 同志社大学卒
- 1987年 株式会社リクルート入社
- 入社から6年間営業成績で1位となる
- 事業開発・新規投資役員、メディア編集長などを歴任
- 経済産業省とベンチャー支援に取り組む
- ネットビジネスへの転換でYahoo!との連携を行う
- リクルートキャリア役員兼務
- 2005年 株式会社セレブレイン代表取締役社長就任
- 人事戦略コンサルティング事業の代表
- M&AやPMIが専門、毎年100社以上のコンサルティング
- 経済サイト等への執筆多数
本記事でわかること
- 医療事務が担当する受付・会計・レセプト・クラーク業務の具体的な仕事内容について
- 医療事務に役立つスキルや資格について
- 医療事務が必要とされる・活躍する職場について
医療事務とは?

医療事務とは病院やクリニック、歯科などの医療機関において、受付や会計、診療報酬請求などを行う仕事です。
しかし事務といっても、企業の一般事務とはやや性質が異なります。
医療事務は事務職としての側面を持ちながらも、患者さんの窓口対応や電話応対など、接客業としての役割を果たす、いわば「医療」と「サービス」の両面から医療現場を支える存在といえるでしょう。
「医療事務が接客業?」と意外に感じるかもしれませんが、患者さんが来院して最初に対応するのは医療事務スタッフです。
どれだけ医師の腕が優れていても、受付スタッフの印象が悪ければ、医療機関全体の評価が下がってしまうこともあります。
そのため、医療事務はまさに“医療機関の顔”として重要な役割を担っているのです。
さらに、医療事務は医師や看護師が本来の診療や看護に専念できるよう、業務を支える縁の下の力持ちでもあります。
事務処理の正確さやスムーズな対応は、医療現場全体の効率と信頼性を高めるうえで欠かせない存在といえるでしょう。
医療事務でよく使われる用語
医療事務に興味がある方は、まずは医療事務の現場でよく使われる業界特有の用語を押さえておくと、仕事内容の理解がスムーズになります。
ここでは、医療事務の現場でよく使われる基本的な専門用語を紹介します。
記事内でもこれらの用語を使って説明していくので、事前に確認しておきましょう。
医療事務でよく使われる専門用語一覧
| 用語 | 意味・説明 |
| カルテ | 患者の診療履歴が記載されている書類のこと。紙カルテと電子カルテがあり、近年では電子カルテの導入が進んでいる。 |
| クラーク | 外来の各診療科や病棟でカルテの代行入力、文書作成などの医師の事務作業を行う職員のこと。規模の大きな病院では専門のスタッフが配置されることが多い。 |
| レセプト | 保険診療に基づいて医療機関が保険者(市町村や保険組合など)に提出する診療報酬明細書のこと。診療行為ごとの点数を記載し、月ごとに作成・提出される。 |
| レセコン | レセプト作成や会計処理を支援する専用システムのこと。患者情報の管理や点数の自動計算、伝票発行などを行い、医療事務の効率化に貢献する。 |
医療事務の現場では、上記のような業界特有の専門用語が日常的に使われます。
最初は聞き慣れない言葉も多いかもしれませんが、基礎知識として覚えておくことで、実務への理解が深まりやすくなります。
医療事務の平均給与

事務・オフィスワークの給与について、当社「求人ジャーナルネット給与サーチ」「求人ジャーナルネット職種一覧表」に基づいて紹介します。
【一般的な事務職の平均給与】
平均月収:216,200円
平均年収:371.7万円
※月収は、賞与などを含まない金額です。
※月収は2025年6月16日現在の金額です。
※年収は、平均月収をもとに賞与等を加味して算出しております。
医療事務は安定した働き方が可能な一方で、一般的な事務職の給与と比較するとやや低めの傾向があります。
その理由として、正社員・パート・派遣など多様な雇用形態があり、ライフスタイルに合わせた働き方を選択する人が多いことが挙げられます。
特に、医療事務では一般事務に比べ、パート勤務の割合が多いことも平均月収・年収を押し下げる要因の一つです。
ただし、正社員として働く場合には賞与(ボーナス)が支給される医療機関が多いため、月収以外に年収ベースで見ると比較的高くなる傾向があります。
一方で、派遣社員やパート・アルバイトといった非正規雇用の場合は、時給制や日給制となることが一般的で、勤務時間や日数によって年収に大きな差が生じるのが特徴です。
このように、医療事務の給与は雇用形態や勤務先の医療機関の規模、働き方によって大きく異なるため、自分の希望するライフスタイルやキャリア設計に合った働き方を選ぶことが重要です。
医療事務の仕事内容

医療事務の仕事は、病院やクリニックに訪れる患者さんの対応から診療費の計算、診療報酬の請求に至るまで多岐にわたります。
職場の規模や体制によって担当する業務範囲は異なりますが、どの業務も医療現場の円滑な運営を支える重要な役割を果たしているといえるでしょう。
ここでは、医療事務の主な仕事内容を業務ごとに詳しく紹介します。
受付業務
受付業務は、患者さんが医療機関を訪れた際に最初に対応するため、医療機関の“顔”となる業務です。
患者さんの不安をやわらげる配慮や丁寧な対応が求められ、医師・看護師と連携しながらスムーズに診察へつなげるサポートを行います。
受付業務の主な内容
- 初診・再診の確認と受付
- 問診票の記入案内
- 健康保険証や医療証の預かり・確認
- 診察室や待合室への案内
会計業務
診療後に発生する会計業務では、カルテの内容をもとに医療費を計算し、保険診療分を差し引いた自己負担額を患者さんから受け取ります。
医療費の計算には保険制度や診療報酬点数の知識が必要なため、正確さとスピードが求められる業務です。
会計の業務主な内容
- 医師が記入したカルテ内容を確認
- 診療報酬点数を算出し、専用システムに入力
- 患者の自己負担額を計算
- 会計処理およびレジ端末操作
レセプト業務
レセプトとは、診療報酬明細書のことで、1回の診察ごとに書かれた会計明細をもとに、患者さんごとに1か月分の診療報酬を計算し、保険診療分を保険者(市町村や保険組合など)へ請求するための非常に重要な業務です。
健康保険証の記号番号の誤りや資格喪失後の受診などがあるとレセプト返戻といった差戻しが発生し、修正対応に多くの時間がかかります。そのため、事前の確認が欠かせません。
特に月末から月初にかけては、1か月分のレセプトをまとめて作成・提出する必要があり、繁忙期となります。
制度変更にも注意しながら、正確な処理を行うスキル求められます。
レセプト業務の主な内容
- 月ごとのレセプトの作成
- レセプト内容の点検・修正
- 診療報酬請求書の作成・提出
- 不備や返戻に対する再処理対応
クラーク業務
クラーク業務は、主に大学病院や総合病院といった規模の大きな病院において、外来の各診療科の窓口や病棟の事務を担当する業務です。
診療を円滑に進めるため、受付や案内業務に加え、医師や看護師との情報共有や書類の管理など、多岐にわたるサポートを行います。
クラーク業務の主な内容
- 診療科の受付対応・電話応対
- 患者の呼び出し・案内
- カルテ、レントゲン、検査データなどの管理
- 医師への報告事項や書類の取次ぎ
その他業務
前述で紹介した業務の他にも、医療事務の業務は状況に応じて多岐にわたります。
特に小規模のクリニックでは、電話応対、待合室管理、看護師や医師のサポートといった幅広い業務を一貫して行います。
そのため、状況に応じて柔軟に対応できる力や、周囲との協力体制を築くコミュニケーション能力も重要なスキルとなるでしょう。
医療事務の働き方

医療事務の働き方は、勤務先や診療科目によって多少異なります。
ここでは、外来受付を担当する医療事務スタッフとクリニック勤務の医療事務の1日のスケジュール例を時間帯ごとにご紹介します。
1日のタイムスケジュール
外来受付を担当する医療事務の場合
| 時間帯 | 業務内容 |
| 8:45 ~ 9:00 | 出勤・受付準備 レジ準備、カルテの用意、院内清掃、予約確認などを行います。 |
| 9:00 ~ 12:00 | 午前診療の受付対応 患者さんの来院受付、保険証確認、問診表の案内、カルテ作成、診察室への案内など。会計処理も並行して行います。 |
| 12:00 ~ 13:00 | 昼休憩 交代で昼食・休憩を取りながら、電話対応や急患対応を行う場合もあります。 |
| 13:00 ~ 15:00 | 事務作業・レセプト処理 午前中の会計チェックや、レセプトの入力・確認作業、資料整理などを行います。 |
| 15:00 ~ 17:30 | 午後診療の受付・会計 午前と同様に受付・案内・会計を行いながら、患者数の増減に応じて臨機応変に対応します。 |
| 17:30 ~ 18:00 | 終業業務 レジ締め、書類整理、翌日の準備などを済ませ、終業します。 ※病院によっては残業が発生することもあります。 |
外来の受付業務を担当する医療事務の場合、役割が明確に分かれているため、一つひとつの業務に集中しやすい反面、診療時間の延長や月初のレセプト提出前には残業が発生することもあります。
クリニック勤務の医療事務の場合
| 時間帯 | 業務内容 |
| 8:00~ 8:30 | 出勤・開院準備 院内清掃、受付機器の立ち上げ、レジ準備、当日予約の確認、診察室の環境チェックなどを行います。 |
| 8:30 ~ 12:00 | 午前診療の受付・会計対応 患者の受付、保険証確認、カルテ作成、診察室への案内、診療内容に基づく会計処理。 |
| 12:00~ 14:30 | 昼休憩 |
| 14:30 ~ 18:00 | 午後診療の受付・会計対応 午後からの来院対応を行い、診療の流れに合わせて臨機応変に受付・案内・会計をこなします。 |
| 18:00 ~ 18:30 | 終業業務 レジ締め、電子カルテの入力確認、翌日の予約チェック、診療報酬の入力状況確認、院内の片付けなど。 |
クリニック勤務の医療事務は、少人数で運営されているため、受付・会計・レセプト入力など幅広い業務を1人または少数で担当することが多いでしょう。
また、休憩時間が長めに設定されているケースが多く、一度帰宅して家事を行う人もいます。
病院とクリニック働き方の特徴
| 項目 | 病院勤務の医療事務スタッフ | クリニック勤務の医療事務スタッフ |
| 勤務体制 | 分業制で専門業務を担当(受付、会計、レセプトなど) | 少人数体制でマルチタスク(受付、会計、電話、診察準備など) |
| 業務範囲 | 業務が明確に分かれており、一つの業務に集中しやすい | 業務が広範囲で、柔軟な対応力が求められる |
| 休憩時間 | 昼休憩は交代制。急患対応などで中断の可能性あり | 昼休憩が比較的長く、外出ができる場合もある |
| 残業 | 月初や診療時間の延長時に発生しやすい | 診療が長引いた場合に発生することがある |
| 特徴・メリット | 専門性を高めやすく、キャリアアップや教育体制も整っていることが多い | 幅広い実務経験が積め、柔軟なスキルを身につけられる |
上記の比較表を参考に、自分のライフスタイルに合った勤務先を選ぶと良いでしょう。
医療事務で求められるスキル

医療事務は、単にデスクワークをこなすだけではありません。
患者対応や医療現場のサポートなど事務作業以外にも幅広い業務を担当するため、事務処理能力に加え、対人スキルや柔軟な対応力などさまざまなスキルが求められます。
ここでは、医療事務として働くうえで特に重要とされる3つのスキルを紹介します。
PC・事務処理スキル
医療事務では、業務でパソコンを使用するため、基本的なパソコンスキルが必要です。
特に、以下のような業務で使用することが多いでしょう。
- Excel・Wordの基本操作:患者リストの管理、報告書の作成などで使用
- レセコン(レセプトコンピューター)操作:診療報酬明細書の作成に使う専用システム
- 医療事務ソフトの入力業務:患者情報や会計処理のデータ入力など
なお、これらの専用システムの操作方法は、入職後に丁寧に教えてもらえるケースがほとんどです。
そのため、未経験でも不安に感じる必要はありません。
基礎的なPC操作に慣れていれば、実務を通じて徐々にスキルを身につけていけるでしょう。
コミュニケーションスキル
医療事務は患者さんと最初に接する立場でもあり、サービス業としての顔も併せ持ちます。
そのため、思いやりのある丁寧なコミュニケーションが重要です。
特に、以下のような場面でコミュニケーションスキルが活かせるでしょう。
- 患者さんの受付・案内:不安を抱えて来院する患者に対し、落ち着いた声かけや丁寧な対応が必要
- 医師や看護師との連携:カルテの内容確認やレセプトの確認依頼など、医療スタッフとの連携が必要
- 電話応対:診療時間の問い合わせ、予約受付など明るくはきはきとした話し方は良い印象を受ける
マルチタスクスキル
診療時間中の医療現場は、常に慌ただしい状況にあります。
そのため、医療事務では複数の業務を同時に進めるマルチタスクスキルが欠かせません。
業務をスムーズにこなすには、業務の優先順位を判断しながら、状況に応じて臨機応変に対応する力が求められます。
具体的には、以下のようなケースが挙げられます。
- 患者の受付対応をしながら、電話応対やカルテの準備を行う
- 会計処理をしつつ、次の診療準備を進める
- 急な変更や医師からの指示に対応する
医療事務に向いている人

医療事務は、病院やクリニックの「縁の下の力持ち」として、医療現場を円滑に支える重要なポジションです。
仕事内容は、事務作業にとどまらず、患者対応や医師・看護師のサポートなど多岐にわたります。そのため、「自分にも務まるのだろうか」と不安を感じる方もいるかもしれません。
まずは、自分の性格やこれまでの経験と照らし合わせながら、医療事務に向いているかどうかを確認してみることをおすすめします。
ここでは、医療事務に向いているとされる人の特徴を3つご紹介します。
自分の適性を知るヒントとして、ぜひ参考にしてください。
慎重かつ正確に業務を進められる人
医療事務では、診療報酬の計算やレセプトの作成など、正確さが求められる業務が日常的に発生します。
特に、保険情報の入力ミスは患者さんの負担金額に影響することもあるため、1つひとつの作業を慎重かつ正確にこなすことが重要です。
そのため、以下のような特性を持つ人は医療事務の仕事に向いているといえるでしょう。
- 数字やデータの入力作業は確認を怠らず正確に行える
- マニュアル通りにコツコツ作業するのが得意
- 細かい変化に気づく観察力がある
誰かの役に立つことに喜びを感じる人
医療事務は、患者さんやそのご家族と接する機会も多く、感謝の言葉を直接もらえることもある仕事です。
体調がすぐれない中で来院する方にとって、受付での親身な対応やスムーズな案内は心強いものとなるでしょう。
特に、以下のポイントに当てはまる人は、医療事務として人の支えになる仕事に大きなやりがいを見出せるはずです。
- 「ありがとう」と言われることにやりがいを感じる
- 困っている人に声をかけることができる
- サポート役として働くのが好き
臨機応変に対応できる人
医療現場では、毎日同じことの繰り返しとは限りません。急な診療変更、急患対応、保険内容の確認など、突発的な事態に対応する柔軟性が求められる場面もあります。
状況に応じて自ら考え、以下のように行動できる人は、変化の多い医療の現場でも頼られる存在になれるでしょう。
- 状況を見て冷静に判断できる
- 優先順位を考えて動ける
- 自発的に行動できる
医療事務のやりがいやメリット

医療事務は、事務職でありながら「人の役に立つ実感」が得られる、やりがいのある仕事です。
裏方として医療現場を支える医療事務には、さまざまな魅力やメリットがあります。
ここでは、医療事務として働くうえで感じやすい「やりがい」や「働き方の柔軟さ」といった観点から、その魅力をご紹介します。
全国どこでも働ける
医療事務は、病院やクリニックなど、医療機関がある場所なら全国どこでも働くことが可能です。
そのため、引っ越しや結婚・出産といったライフイベントを経ても、経験を活かして再就職しやすいという大きなメリットがあります。
また、都市部に限らず、地方や郊外でも求人が多い傾向があり、人手不足が続く医療業界では経験者が歓迎されやすい点も魅力です。
どこでも通用するスキルを身につけたいと考えている方にとって、医療事務はおすすめの職業です。
資格がなくても働ける
医療事務は、資格を持っていなくても就業可能な職種です。
医療業界では、医師や看護師のように資格や免許が必須となる職種が多くありますが、医療事務においては必須の国家資格はなく、未経験・無資格からでも働くことができます。
そのため、「資格を持っていないから不安…」と感じる必要はありません。
とはいえ、医療事務関連の民間資格を取得しておくと、転職活動の際に知識や意欲の証明になり、有利になるケースも多いです。
スキルアップの一環として資格取得を検討するのも良いでしょう。
患者さんやその家族から感謝される
医療事務は、受付や会計業務などを通して、患者さんと直接関わる機会が多く、人とのコミュニケーションが多い仕事でもあります。
診療の不安や緊張を抱えて来院する方に対して、丁寧に応対することで安心感を与えることができ、その結果「ありがとう」と言われることも。
このように、患者さんやご家族から直接感謝の気持ちを受け取ることができるのは、医療事務の醍醐味ともいえるでしょう。
ワークライフバランスに合せて働ける
医療事務は、パート・正社員・派遣など多様な雇用形態があり、働き方の選択肢が豊富であるため、家事や育児と両立したい方にも適しています。
たとえば、以下のような希望を持つ方にとって魅力的な職場環境が見つけやすいでしょう。
- 家事や育児と両立しながらパートで働く
- 昼休憩が長く、一度帰宅して家事をしたい
- 勤務日数や時間帯の調整がしやすい職場がいい
ただし、多くのクリニックは土曜も診療しているため、完全な土日休みを希望する場合は、パート勤務のシフト調整や、医療事務以外の職種の検討も視野に入れるとよいでしょう。
医療事務はきつい・やめとけと言われる理由や事前に知っておきたいポイント

インターネット上では「医療事務はやめとけ」といった声を目にすることもありますが、これは一部のケースに過ぎません。
働き始める前に実際の働き方や業務内容を知っておくことで、イメージとのギャップを減らし、自分に合った職場を選びやすくなるでしょう。
ここでは、医療事務でよく挙げられる「きつい・やめとけと言われる理由」や「事前にしっておきたいポイント」を紹介します。
業務量や覚えることが多い
医療事務では、受付や会計といった基本業務に加え、診療報酬制度や保険制度に関する知識が求められます。
初めは聞きなれない専門用語も多く、すべての業務を覚えるまでに時間がかかるかもしれません。
さらに、通常の業務の他にも、クラークやレセコンなどの専門用語の理解や医療保険制度の改定や制度変更にも随時対応していく必要があります。
とはいえ、こうした知識やスキルは実務を通じて少しずつ覚えていけることが多く、未経験であっても不安に感じる必要はありません。
焦らず段階的に知識を積み上げることが大切です。
レセプト提出前は残業になる可能性がある
医療事務において忙しくなりやすいのは、月末から月初にかけてのレセプト提出期間です。
この期間は、診療報酬請求のための書類作成・点検が集中するため、普段よりも残業が発生しやすくなります。
ただし、繁忙期以外は比較的落ち着いている職場もあり、職場によって忙しさの差はあります。
そのため、就職や転職を検討する際には、応募先の職場環境や勤務体制も事前に確認しておくことをおすすめします。
給与がそれほど高くない
医療事務の平均年収は、他の一般事務職と比べてもやや低めといわれています。
その主な理由として、資格がなくても働ける点や、正社員・パート・派遣など多様な雇用形態が存在し、非正規雇用の比率が高いことが挙げられます。

厚生労働省の「job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」によると、医療事務と一般事務の就業形態ではパートの比率が医療事務の方が高くなっていることが分かります。
医療事務ではパート勤務の比率が一般事務よりも高くなっており、これが平均年収を押し下げる一因となっています。
ただし、医療事務は働き方の自由度が高く、全国どこでも求人数があり、専門性を活かして長く働き続けられる職種でもあります。
給与面だけでなく、「柔軟な働き方ができる」「経験を活かして再就職しやすい」などのメリットも含めて、総合的に判断することが大切です。
医療事務へ転職成功するためのポイント

未経験からでもチャレンジしやすい医療事務ですが、確実に転職を成功させるためには、事前の準備と自己分析がカギとなります。
ここでは、転職活動を始める前に意識しておきたい3つのポイントを紹介します。
1. 自己分析を徹底する
これまでの仕事で身につけたスキルの中には、医療事務に活かせる強みがたくさんあります。
たとえば、これまでに培った「丁寧な接客力」や「複数の業務を並行して進める力」、「チームワーク」は、患者対応の丁寧さや業務の効率性が求められる医療事務の仕事に通じるものです。
このような、資格や技術を必要としないどこでも使えるスキルのことをポータブルスキルといいます。
ポータブルスキルはどの業界においても重宝され、転職活動においても評価されやすいポイントとなります。
以下はポータブルスキルの代表的な例です。
ポータブルスキルの代表的な例
・コミュニケーションスキル
・問題解決スキル
・プレゼンテーションスキル
・情報整理力
・マルチタスク処理能力
・計画力
・時間管理能力
・分析力
・接客対応力
・チームワーク
・正確性
・リーダーシップ
・柔軟性
・ストレスマネジメント
・自己管理(セルフマネジメント)
この中でも、医療事務の仕事に特に役立つスキルは以下の4つです。
- コミュニケーションスキル
- 正確性
- マルチタスク処理能力
- 接客対応力
まずは自身の経験を棚卸して、
・どんな作業が得意だったか
・評価を得てきた業務は何であったか
を振り返り、これまでに得たポータブルスキルを整理してみましょう。
2. 自己分析をする
スキルの棚卸ができたら、自分の強みや価値観を見直すために、自己分析を行いましょう。
自己分析には、厚生労働省の「エンプロイアビリティチェックシート」 と「ジョブ・カード」の活用がおすすめです。
「エンプロイアビリティチェックシート」:自分の強みやPR材料を整理できる
「ジョブ・カード」:自分がどのようなキャリアを目指したいかが明確になる
3. 資格を取得する
医療事務は資格がなくても働くことができますが、医療事務に関連する資格は多数あり、資格をもっていると就職に有利となるでしょう。
ここでは、医療事務の就職に役立つ代表的な資格をご紹介します。
| 試験名 | 内容 |
| 診療報酬請求事務能力認定試験 | 医科・歯科がある。診療報酬請求事務に従事する者の資質の向上を図るために実施される全国一斉統一試験。 |
| 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®) | 医科・歯科がある。医療機関などで受付窓口業務や診療報酬請求事務業務など、医療事務職として求められる能力の審査を対象とする。医療事務関係としては最大規模の受験者数を誇る。 |
| 医療事務管理士®技能認定試験 | 50年以上の実績をもつ歴史ある資格。医療機関内での患者受付、治療費の計算、診療報酬請求明細書作成、カルテ管理など医療事務全般の能力を評価・認定する試験。 |
| 医療事務認定実務者®試験 | 医療事務の実務における基本習熟度を客観的に判断する試験。難易度は高くなく初学者ではじめて試験にチャレンジする人におすすめ。 |
また、医療事務の仕事は、病院・クリニックだけでなく、歯科、介護施設、調剤薬局などさまざまな現場で求められています。
以下の資格は、前述の一般的な医療事務資格とあわせて取得することで、より専門性を高めることができます。
その結果、就職や転職の際に選択肢の幅を広げることにもつながるでしょう。
勤務先の特徴や自分の希望する働き方に合わせて、必要な資格を検討してみてください。
| 勤務先 | 主な資格 |
| 歯科で働くなら | ・歯科医療事務管理士 ・歯科医療事務検定 |
| 介護施設で働くなら | ・介護事務管理士®技能認定試験 ・介護保険事務管理士資格認定試験 ・ケアクラーク®技能認定試験 ・介護保険請求事務者 |
| 調剤薬局で働くなら | ・調剤事務管理士®技能認定試験 ・調剤報酬請求事務専門士検定 |
医療事務が必要とされる職場一覧
医療事務の仕事は病院だけにとどまらず、下記のようにさまざまな医療・福祉関連施設でも必要とされています。
| 勤務先 | 主な業務内容 |
| 病院 | 受付、会計、クラーク業務(診療補助)など分業制 |
| クリニック | 受付、会計、レセプト作成まで幅広く担当 |
| 健診センター | 健診受付、結果送付、報告資料作成など |
| 訪問看護・介護施設 | 医療・介護保険のレセプト業務、利用者や家族との連絡調整など |
| 歯科医院 | 受付、会計、予約管理、器具準備サポートなど |
| 調剤薬局 | 処方せん受付、患者情報入力、調剤報酬請求(レセプト)など |
受付や会計、レセプト作成などの基本的な業務内容は共通していますが、職場によって対応内容や働き方は異なります。
自分のライフスタイルに合う職場を見つける参考にしてください。
医療事務への転職方法

医療事務は資格やスキルがなくても応募できる未経験者歓迎の求人が多いため、複数の転職ツールを活用して、自分の希望に合った職場を効率よく見つけましょう。
ここでは、主な転職方法として「求人サイト」「転職エージェント」「転職イベント」の3つをご紹介します。
求人サイトで効率よく求人を探す
求人サイトは、幅広い求人情報を検索できる便利なツールです。
転職活動を効率的に進めるためには、求人サイトを上手に活用しましょう。
求人サイトでは、新着求人が毎日更新されているため求人数が多く、より多くの選択肢から自分に合った求人を効率的に見つけることができます。
【求人サイトの特徴】
- 業界別の求人検索ができる
- 希望の条件を登録しておくと、マッチした求人を自動で通知してくれる
- 条件で求人情報を絞れるため、希望する求人を見つけやすい
求人ジャーナルネットでは、地域密着型の求人総合サイトとして、幅広い求人情報を掲載しています。
全国47都道府県ごとにトップページを設け、職種や地域、雇用形態などの詳細な条件で、希望にあった求人を簡単に検索できます。
自分のスキルや希望にあった医療事務の求人を見つけてみましょう。
転職エージェントのサポートを受ける
転職活動が初めて、または転職回数が少ない場合は、転職エージェントの活用がおすすめです。
特に、転職の経験がほとんどない方は「即戦力としてのアピール方法」や「希望条件に合った求人の選び方」に悩むことが多いため、専門的なアドバイスを受けることをおすすめします。
転職エージェントでは一人ひとりに担当のキャリアアドバイザーが付き、求職者のスキルや希望条件をもとに適職を提案してくれます。
また、非公開求人の紹介や、応募書類の添削、面接対策のサポートも受けられるため、よりスムーズな転職活動が可能です。
利用の流れ
まずは転職エージェントへ登録しましょう。
申し込みが完了すると、担当エージェントよりメールにてレジュメ作成のURLが届きます。
レジュメとは、経歴を記入するフォーマットのことです。
記入したレジュメを基に、担当エージェントよりスキルや希望にあった求人情報を紹介します。
自分の適職が分からない場合は、個別のキャリアアドバイスも行います。
応募したい企業が見つかったら、担当エージェントが転職希望者と企業のスケジュール調整を行い、面接の日程を決定します。
面接終了後、採用の可否を担当エージェントよりご連絡します。
雇用契約まで転職エージェントでサポートします。
不安なこと、不明な点があるときは担当エージェントに相談すると良いでしょう。
上記は転職エージェントの利用の流れの一例ですが、このようなサービスを通じて、キャリアアップや新たな挑戦をサポートしてくれます。
転職フェアなどの合同企業説明会に参加する
転職イベントやセミナーに参加することで、オンラインでは得られないリアルな情報を収集できるだけでなく、企業の採用担当者と直接話すことができる貴重な機会です。
転職後のミスマッチや失敗を防ぐためにも企業の社風や職場環境を事前に確認することが非常に重要です。
そのため、現場の声を直接聞ける対面型のイベントに参加するメリットは大きいといえます。
転職イベントに参加するメリット
- 企業の採用担当者と直接話せる
→ 企業の雰囲気や求めている人材像を知ることができ、面接対策にも役立つ。 - 面接時よりも質問しやすい
→ 形式ばった面接とは異なり、気軽に質問しやすい。 - 相談コーナーや求職者向けセミナーで就活のヒントを得られる
→ 専門スタッフから転職に関するアドバイスを受けられる。
転職イベントの詳細は、求人ジャーナルが運営する「転職プラザ×就活プラザ」のホームページで確認できます。
医療事務に関するQ&A

- 医療事務には将来性がありますか?
-
はい、医療事務には今後も一定の需要が見込まれます。
近年はレセプトの自動チェックや予約システムの導入など、AIやITによって効率化されつつあり、今後もこうした動きは進んでいくと考えられます。
しかし、患者対応や電話応対、書類説明など人の手で行う必要がある業務は今後も引き続き求められ、AIやITに完全に置き換えるのは難しいとされています。
また、医療機関は時代に左右されることなく常に必要とされているため、ライフステージが変わっても長く働ける職種としても注目されています。 - 医療事務はキャリアアップ可能ですか?
-
はい、医療事務でもキャリアアップは十分に可能です。
たとえば、経験を積んでスキルを高めることで事務長や診療情報管理士といった専門職に就くことも可能です。
なかでも、診療情報管理士は、主に大学病院や総合病院などで活躍する職種で、カルテや看護記録などの情報を点検・保管・管理し、情報の収集や分析を行う専門職です。医療業界のデジタル化が進む現代において、診療情報管理士はますます重要視されています。
また、転職によってキャリアアップを図る方法もあります。医療事務の経験があることで、条件面での優遇や昇進のスピードが早まるケースもあるでしょう。 - 医療秘書との違いはなんですか?
-
医療事務と医療秘書はどちらも医療現場を支える事務職ですが、役割が異なります。
・医療事務:受付や会計、レセプト処理など患者さんと関わりながら病院運営を支える
・医療秘書:医師や看護師のスケジュール管理や学会への同行、文献の入力作業、研究の補助など医療従事者を裏方で支える
ただし、医療機関によってはこれらの業務を兼任することも珍しくありません。
実際の仕事内容は勤務先によって異なるため、自分の得意分野や希望する働き方に応じて選ぶのが良いでしょう。
医療事務に転職するなら求人ジャーナルネットで!

医療事務は、受付や会計、レセプト作成などを通じて医療現場を支える重要な職種です。
また、全国どこでも働くことができるところも魅力の一つで、接客力や事務処理能力を活かして、専門性を高めながら長く活躍できる仕事です。
求人ジャーナルネットでは、地域密着型の総合求人サイトとして、医療事務を含む豊富な求人情報に加え、こだわり条件での検索や転職ノウハウの掲載も充実しています。
そのため、自分に合った働き方を見つけやすく、ミスマッチの少ない転職が可能です。
求人ジャーナルネットには、医療事務の求人が多数掲載されているため、転職を検討している方はぜひチェックしてみてください。
\求人ジャーナルでスキルがなくても始められる仕事を見つけよう /
エリアと条件から仕事を探す
・求人ジャーナル『求人ジャーナルネット給与サーチ』
・求人ジャーナル『求人ジャーナルネット職種一覧表』
・医療事務のすべてがわかる本,監修:青地記代子,株式会社日本文芸社,2020年4月20日,207ページ,43,136~139ページ
・厚生労働省『job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))』
・厚生労働省『エンプロイアビリティチェックシート』
・厚生労働省『ジョブ・カード』









