法務事務とは?一般事務との違いや業務内容・キャリアアップ方法を解説

法務事務とは?一般事務との違いや業務内容・キャリアアップ方法を解説

法務事務に興味はあっても「そもそもどんな仕事なんだろう?」「未経験では採用されないのでは?」「必要な資格はあるのかな?」と疑問に感じている人は多いのではないでしょうか。

法務事務は、契約書などを扱う専門性のある事務職でありながら、未経験者でも挑戦できます。経験を積むことでキャリアアップや収入アップも期待でき、転職希望者の間で注目が高まっている職種の一つです。

本記事では、法務事務の仕事内容・年収・必要なスキルや資格・志望動機の書き方まで、未経験の方にもわかりやすく解説します。

「今のままじゃ不安だけど、何から始めればいいか分からない」という方は、ぜひ参考にしてください。

本記事の監修者
高城幸司(たかぎ こうじ)
  • 立教大学大学院にてブランドマーケティングの講座担当
  • 名誉きき酒師、著作多数(70冊以上)
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  • 1987年 同志社大学卒
  • 1987年 株式会社リクルート入社
    • 入社から6年間営業成績で1位となる
    • 事業開発・新規投資役員、メディア編集長などを歴任
    • 経済産業省とベンチャー支援に取り組む
    • ネットビジネスへの転換でYahoo!との連携を行う
    • リクルートキャリア役員兼務
  • 2005年 株式会社セレブレイン代表取締役社長就任
    • 人事戦略コンサルティング事業の代表
    • M&AやPMIが専門、毎年100社以上のコンサルティング
    • 経済サイト等への執筆多数

本記事でわかること

  • 法務事務の仕事内容や就職先

  • 法務事務に向いている人の特徴

  • 法務事務の年収や待遇、キャリアパス

  • 未経験から法務事務を目指すためのステップ
  • 志望動機の書き方や例文

目次

法務事務とは?

法務事務とは?

法務事務とは、企業や団体の「法律に関係する事務作業」をサポートする仕事です。自社の法務担当者や顧問弁護士を支え、会社がトラブルに巻き込まれないようにするための裏方の仕事といえます。

一般事務と大きく異なる部分は、扱う情報が法律や契約などに関わるため、専門性が求められるところです。

具体的には、どのような就職先があるのでしょうか?また、法務事務にはどんな特徴があるのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

法務事務の就職先

法務事務の就職先は、かなり幅広いです。以下に代表的なものをまとめました。

① 一般企業(中小企業~大手企業)

社内に「総務部」や「法務部」がある会社で働き、経営に関わる契約や、社内規定の整備などをサポートします。

業界を問わず、メーカー・IT・不動産・金融などさまざまな場所で必要とされます。特に不動産業界では「契約」が中心業務なので、法務事務の出番が多くやりがいもあります。

② 法律事務所(弁護士事務所)

弁護士のサポートとして、契約書の作成補助や資料整理、裁判関連の書類準備などを担当します。法律の現場に近く、専門的な経験が積めるところが魅力です。

③ 公的機関・団体

市役所・独立行政法人・商工会議所などで働き、契約書の管理や法令対応などを行います。企業とは少し違うスタイルの業務が多いです。

④ 外資系企業

外資系企業では、英文契約書の作成や、海外との法務関連のやり取りを担当します。

海外と取引のある企業では、契約書に英語が使われることもあります。英語スキル+法務の知識があると、優遇されるでしょう。

法務事務は専門性のある「キャリア系事務職」

法務事務は、法律や契約に関する専門知識を活かして働く仕事です。

実務を通じてスキルを磨いていくことで、転職の際にも評価されやすく、着実にキャリアアップを目指せる「キャリア系事務職」といえるでしょう。

経験者を求める企業が多いことから、出産・育児などのライフイベントで一時的に離職しても再び働きやすい仕事です。長く安定して働きたい人におすすめです。

なお、一般的な事務職との違いをより明確に知りたい方は「一般事務の仕事内容」について解説した以下の記事もあわせてご覧ください。

法務事務の平均月収・年収

法務事務の平均月収・年収

事務職の給与について、当社「求人ジャーナルネット給与サーチ 事務・オフィスワーク 平均月給・平均時給の給与データ」に基づいて紹介します。

事務職の給与

  • 平均月収:22.0万円
  • 平均年収:333.1万円

※月収は、賞与などを含まない金額です。
※年収は、平均月収をもとに賞与等を加味して算出しております。
※2025年12月31日時点の金額です。

上記の金額は「事務職全体」の平均値ですが、「法務事務」の年収は専門的な知識が必要な分、高めの水準になることが多いです。特に、法律事務所や外資系企業など専門性の高い分野では高収入が期待できる傾向にあります。

スキルや経験で年収アップできる?

法務事務は経験を積むほどに評価されやすい仕事です。たとえば、契約書の作成やリーガルチェックの経験が豊富な人や、社内規定の整備・コンプライアンス対応などを任されていた人は、より高い待遇での転職も現実的になるでしょう。

リーガルチェックとは?:契約書や規約などの文章を「法的に安全な状態」に整えること。法律に違反していないか、自社にとって不利な内容が入っていないか、曖昧な表現や誤解を招く書き方になっていないかなどを確認します。

コンプライアンス対応とは?:自社が法律や社内ルールをしっかり守れるように体制を整えること。違反やトラブルを未然に防ぐための重要な取り組みです。

また、特定のスキルや資格を持っていると年収アップのチャンスが広がります。たとえば、ビジネス実務法務検定を受けて法務知識を証明したり、TOEICの点数を活かして外資系企業にチャレンジすることで、収入アップにつながることもあります。

法務事務の業務内容

法務事務の業務内容

法務事務は、企業が安心してビジネスを進めるために欠かせない法的サポートを行う仕事です。

では、具体的にどのような業務を担っているのでしょうか。法務事務の仕事内容は、企業の業種や規模によって多少の違いはありますが、主に次のような業務が中心となります。

契約書の作成・チェック・管理 

取引先との契約書の作成や、内容のチェック(リーガルチェック)、管理を行います。

内容のチェックでは、法的な不備がないか、社内ルールに即しているかなどを確認し、必要に応じて修正します。

顧問弁護士とのやりとり・社内相談の対応

法的な判断が必要な場合に、法務担当者が顧問弁護士とやりとりする際のサポートをします。

また、社内の各部署から寄せられる法務に関する相談をとりまとめ、弁護士に伝えたり、回答内容を社内にフィードバックしたりする役割も担います。

登記・社内規定・法務文書の管理

会社の登記に関連する事務手続きや、社内規定の整備・保管契約書や合意書などの法務関連文書の管理も法務事務の仕事です。

企業によっては文書管理システムを活用しており、デジタル管理スキルが求められる場合もあります。

コンプライアンス(法令遵守)や知的財産管理の補助

自社が法律や社内ルールを順守できるよう、コンプライアンス体制の整備やその運用を補助します。

また、商標や著作権などの知的財産の出願・更新手続き、管理業務を担当するケースもあります。ミスのない正確な処理が求められる業務です。

法務トラブル・紛争対応の補助業務

万が一トラブルや紛争が発生した際には、過去のやりとりの整理、証拠資料の準備、対応記録の管理などを行い、法務担当者や顧問弁護士をサポートします。

トラブルの初動対応において迅速かつ丁寧な対応が求められます。

法務事務に向いている人

法務事務に向いている人

法務事務は、慎重さや責任感が求められる仕事です。

複雑な契約書や法律文書を扱うことが多く、業務の正確さが会社全体の信用にもつながるため、性格や特性が仕事の適性に大きく影響します。

以下に当てはまる方は、法務事務として活躍しやすいタイプといえるでしょう。

慎重・丁寧な仕事ができる人

契約書のチェックや書類管理など、ミスが許されない仕事が多いため、一つひとつの業務を慎重・丁寧にこなせる人が向いています。

「見落としを防ぐために何度も確認する」といった姿勢が求められます。

法律やルールに興味がある人 

法律に関わる仕事に抵抗がない、または興味がある人にとっては、日々の業務が学びの機会となり、やりがいにもつながります。

法令の改正や新しい社内ルールにも関心を持てるタイプの人は、継続的な成長が期待できます。

守秘義務・責任感を大事にできる人

法務事務は、企業の内部情報や機密事項を扱う場面が多いため、秘密を守る意識や、仕事に対する責任感が欠かせません。

信頼される対応ができることが、長く働くうえでの大きな武器になります。

法務事務になるには?未経験からのステップ

法務事務になるには?未経験からのステップ

法務事務は専門性の高い仕事ですが、未経験からでも挑戦できます

ここでは、未経験から法務事務に挑戦したい人へ、役立つ資格や応募前に備えておきたいスキルを紹介します。

未経験から法務事務への入り口

未経験者の場合、最初は法務アシスタントや派遣社員として働きながら実務を学んでいくケースが一般的です。

特に不動産会社や司法書士事務所、行政書士法人などでは、日常的に契約や登記、法律文書を取り扱うため、法務事務の基礎を身につけるには最適な環境です。

このような現場で契約書の取り扱いや書類作成に関わることで、自然と法務の業務を理解し、自信を持ってキャリアを進めることができます。

法務事務になるのに資格は必要?

法務事務に就くために必須の資格はありませんが、スキルや意欲をアピールする材料として「ビジネス実務法務検定」の取得は有効です。3級であれば未経験者でも比較的取り組みやすく、企業からの評価にもつながります。

また、将来的により専門的なポジションを目指すなら、2級以上の取得も視野に入れておくとよいでしょう。資格を通して法律の基礎知識を得ておくことで、実務に入った際の吸収力にも大きな差が出ます。

不動産会社に就職する場合には「宅地建物取引士(宅建)」資格を持っていれば、キャリアの幅がさらに広がります。

応募前に身につけておきたい基本スキル

法務事務を目指すうえで、身につけておきたい基本スキルを紹介します。

  • 法律関連の知識:ビジネス実務法務検定や市販の入門書を活用して、契約や会社法の基本を学んでおくと実務の理解が早まります。
  • 文書作成能力:正確かつ分かりやすい文書を作る練習をしておきましょう。ビジネス文書の型に慣れておくと即戦力になれます。
  • コミュニケーション能力:社内の関係部署や顧問弁護士との連携もあるため、伝える力・聞く力は重要です。接客や電話対応の経験も役立ちます。
  • 論理的思考力:契約書の内容を読み解くためには、条文のつながりや背景を理解する力が求められます。普段から文章を読む習慣をつけると良いです。
  • パソコンスキルや基本的な事務処理能力:Word、Excelの基本操作、ファイル管理、タイピングなどは実務でも必須です。事前に練習しておくと安心です。

こうしたスキルは、独学や通信講座、eラーニングなどを活用して、働きながらでも身につけることができます。応募前に少しずつ準備を進めておくことで、自信を持って一歩を踏み出せるでしょう。

法務事務の志望動機の書き方と例文

法務事務の志望動機の書き方と例文

法務事務は専門性の高い仕事ですが、未経験からでも挑戦可能な職種です。そのため、志望動機では「なぜこの職種を目指すのか」「自分のどんな強みが活かせるのか」を明確に伝えることが重要です。

ここでは、未経験者に向けた志望動機の考え方や例文、注意すべきポイントを解説します。

未経験者向けの志望動機のポイント

未経験者が法務事務を目指す場合は、志望動機として「なぜ法務事務なのか」を明確に伝えることが重要です。あわせて「どんな強みが活かせるのか」まで伝えられるとさらに良いです。

法律への興味や、慎重に業務を進める姿勢、書類作成などの事務スキルなど、自分の強みを示しましょう。

経験やスキルが少なくても伝わる志望動機例

未経験から法務事務へ応募した場合の「志望動機」の例をご紹介します。

例文①:事務経験を活かしてキャリアチェンジしたい場合

前職では一般事務として、契約書のファイリングやデータ管理、社内文書の作成などを担当していました。業務の中で法的文書に触れる機会が増えたことをきっかけに、企業活動を支える法務の仕事に関心を持ちました。未経験ではありますが、正確性と丁寧さを求められる事務作業には自信があり、これまでの経験を活かしながら、法務知識を深めて貢献していきたいと考えています。

例文②:資格取得中(または学習中)であることをアピールする場合

現在、法律の基礎を独学で学びながら、ビジネス実務法務検定の取得を目指しています。もともと文章や書類を扱う事務職が好きで、今後はより専門性の高い分野でスキルアップしたいと考え、法務事務の仕事に興味を持ちました。法律知識を実務に結びつけながら、社内の法的対応や契約関連業務を支える役割に積極的に取り組んでいきたいと思っております。

例文③:未経験だが、論理的思考や調整力をアピールしたい場合

法律という明確なルールのもとで、企業活動をサポートする法務の仕事に魅力を感じています。前職では複数部門の調整や資料作成を担当しており、丁寧なヒアリングや的確な対応を心がけ、社内外で信頼していただけるよう努めてまいりました。未経験ではありますが、正確な事務処理能力を活かして、安心して業務を任せていただける存在になりたいと考えています。

NGな書き方とその改善ポイント

法務事務を目指す上で、志望動機の伝え方はとても重要です。やる気はあるのに「もったいない表現」になってしまうこともあるでしょう。

以下に、避けたい表現とその改善ポイントをまとめました。

  • NG例:「事務職に就きたいと思いました」
    改善ポイント:目的意識が弱く、志望動機としての説得力に欠けます。なぜそう思ったのか、具体的に書くようにしましょう。
  • NG例:「法律の知識は全くありませんが、頑張ります
    改善ポイント:未経験であることを正直に伝えるのは良いですが、学ぶ意欲や準備していること(検定の勉強中など)を具体的に伝えると熱意がより伝わります。

法律やルールに対して興味があることや、準備していること(検定勉強中など)を具体的に述べると、熱意が伝わりやすくなります。

法務事務に関するよくある質問Q&A

法務事務に関するよくある質問Q&A

「法務事務になるには、英語力が必要?」「法律の知識がなくても大丈夫?」など、法務事務を目指す上でのよくある質問をご紹介します。

英語力は必要?

基本的に必須ではありませんが、外資系企業や英文契約書を扱う職場では英語力があると有利です。

TOEICのスコアや英文読解力が評価される場合もあるため、希望する就職先に合わせて準備するのがおすすめです。

法律の知識がまったくなくても大丈夫?

未経験者向けの求人では、法律の知識が必須でないケースも多く見られます。

ただし、基礎的な法務用語や契約書の構成などについて学んでおくと、業務にスムーズに入れるでしょう。ビジネス実務法務検定などの資格取得を目指すのもおすすめです。

法務と特許事務の違いは?

法務事務は企業活動全般に関わる契約書や社内規定、コンプライアンス対応などをサポートする職種です。一方、特許事務は知的財産に関する出願や申請手続きを中心とした業務で、特許事務所や企業の知財部門などで活躍します。

扱う分野や専門知識が異なるため、興味のある分野に応じて選びましょう。

法務事務へ一歩踏み出そう

法務事務へ一歩踏み出そう

法務事務は未経験からでも挑戦しやすく、一度資格やスキルを身につけてしまえば、長く安定して働ける職種でもあります。

「法律に関わる仕事をしてみたい」「一般事務から法務事務へ転職したい」そんな思いがある方は、まずは求人情報をチェックしてみましょう。

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