「経理事務ってどんな仕事?」「なんとなく難しそう」そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
経理事務は、企業のお金の流れを正確につかさどる重要な役割を担います。
「経理」というと専門的なイメージが強いかもしれませんが、実は未経験からスタートして活躍している人も多くいます。
本記事では、経理事務の基本的な仕事内容から求められるスキル、年収の目安、勤務先による違い、やりがいや大変な点までわかりやすく解説します。
未経験から経理事務を目指すためのステップや転職方法も紹介しているので、「事務職に転職したいけど、何から始めればいいか分からない」という方にもぴったりの内容です。

- 立教大学大学院にてブランドマーケティングの講座担当
- 名誉きき酒師、著作多数(70冊以上)
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- 1987年 同志社大学卒
- 1987年 株式会社リクルート入社
- 入社から6年間営業成績で1位となる
- 事業開発・新規投資役員、メディア編集長などを歴任
- 経済産業省とベンチャー支援に取り組む
- ネットビジネスへの転換でYahoo!との連携を行う
- リクルートキャリア役員兼務
- 2005年 株式会社セレブレイン代表取締役社長就任
- 人事戦略コンサルティング事業の代表
- M&AやPMIが専門、毎年100社以上のコンサルティング
- 経済サイト等への執筆多数
本記事でわかること
- 経理事務の具体的な仕事内容
- もっていると有利な資格やスキル
- 未経験から経理事務に転職するための方法
経理事務とは

経理事務とは、会社のお金の出入りを正確に記録・管理し、経営に必要な財務状況の情報を整理する仕事です。
企業にとってお金の流れは「血液」ともいえるほど重要なものであり、経理の記録は経営判断や資金管理の基盤になります。
そのため、経理事務には正確さと責任感が強く求められます。
業務内容には、日々の仕訳入力や帳簿作成のほか、月次・年次決算に関する資料作成、請求書・領収書の処理、税金の納付・申告などがあります。
これらの業務は期限が厳しく決まっているため、スケジュール管理能力も必要です。
また、経理事務では「貸借対照表(B/S)」や「損益計算書(P/L)」といった財務諸表の作成を行う場合もあります。
これらは、会社の資産・負債の状態や利益の状況をみることができる、いわば会社の成績表のようなものです。
大企業では、業務内容ごとに担当部署が細分化され、より専門的な役割分担がされていることもありますが、中小企業では経理事務が総務や庶務を兼ねることもあります。
経理事務の平均給与・年収

事務・オフィスワークの給与について、当社「求人ジャーナルネット給与サーチ 事務・オフィスワーク 平均月給・平均時給の給与データ」に基づいて紹介します。
【事務・オフィスワークの平均給与】
平均月収:220,631円
平均年収:333.1万円
※月収は、賞与などを含まない金額です。
※月収は2025年12月31日現在の金額です。
※年収は、平均月収をもとに賞与等を加味して算出しております。
では、一般的な事務職のなかでも、経理事務の給与水準はどの程度なのでしょうか。
厚生労働省の「job tag(職業情報提供サイト〈日本版O-NET〉)」によると、経理事務の平均年収は509.3万円とされています。
ただし、勤務先の地域や会社規模、業務の幅によっても大きく異なるため、この数値はあくまで目安と考えてください。
特に、規模の大きい会社や総務・労務など他の事務業務と兼任するケースでは、平均より高くなる傾向です。
簿記などの資格保持者や経理事務の経験があると、より高収入を目指せる可能性があるでしょう。
経理事務の仕事内容

経理事務の仕事は、一見すると単なるデスクワークに思われがちですが、実際には高い専門性と正確さが求められる重要な職種です。
「日次業務」「月次業務」「年次業務」の3つに大きく分けられるのが特徴で、それぞれに応じた役割とスキルが求められます。
それぞれの仕事内容について以下で詳しく解説していきます。
日次業務
日次業務とは、日々行う業務のことを指します。
具体的には以下の業務が中心となるでしょう。
主な日次業務
- 現金出納帳の管理
- 領収書や伝票の処理
- 会計ソフトへの入力
- 経費精算の対応
- 仕訳帳や帳簿の作成
これらは地道な作業に見えますが、日々の記録がそのまま月次・年次決算の基礎データになるため、小さなミスが後の大きなトラブルにつながることも。
正確性と細やかな確認作業が求められる、責任の大きな業務です。
月次業務
月次業務とは、毎月決まった時期(締め日)に行われる業務です。
会計期間を区切るタイミングで発生するため、締め日の設定は会社によって異なります。
主な内容は以下のとおりです。
主な月次業務
- 月次決算の作成
- 売掛金・買掛金の管理
- 請求書の発行・受領
- 経費や売上の集計
- 給与計算・源泉徴収税や住民税の納付(※会社によっては人事や総務が担当)
ジャーにゃんポイント
売掛金:販売済みで、まだ入金されていないお金のこと
買掛金:購入済みで、後払いになっている支払いのこと
月次業務はデータの正確性と期日厳守が重要です。
毎月繰り返される業務でありながら、数字のミスがそのまま決算に影響するため、チェック体制の整備が不可欠です。
ただし、給与計算や税金の納付などの業務は、労務や総務が行うこともあるため、業務の幅は会社ごとに違いがあります。
年次業務
年次業務とは年度末や年始にかけて実施される定例業務を指します。
なかでも、年次業務で代表的なものが「決算」です。
他にも以下のような業務があります。
主な年次業務
- 決算
- 年末調整
- 法人税・消費税などの納付
- 法定調書の作成
事務職の中でも、経理事務は法律や制度的な知識が必要な分、業務の難易度は高めです。
ここからは、上記で紹介した年次業務をさらに詳しく見ていきましょう。
決算
決算とは、日々の取引や月次業務で作成された会計データをもとに、企業の1年間の経営成績と財務状況を明らかにするための業務です。
経理事務にとって、決算は最も重大で責任ある業務の一つともいえるでしょう。
決算の流れをまとめると以下のようになります。
- 試算表や棚卸表などのデータを集計し、最終的な数値を確定させる
→ 月次業務で作成した帳簿や試算表をもとに、在庫の棚卸や仕訳の見直しを行い、正確な数値を整理する - 財務諸表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書など)を作成する
→ 確定した数値をもとに、会社の資産・負債・収益・費用の状況を示す書類を作成する - 税務申告および納税を行う
→ 決算書をもとに、人税・消費税・地方税などの申告書を作成し、所轄の税務署等に提出・納税する
税金の納付
決算が終わると、法人税や法人住民税、法人事業税、消費税などの申告及び納付手続きを行います。
これらの税金は、事業年度終了日の翌日から2カ月以内に納税する義務があります。
納付が遅れると延滞税が課されるため期限厳守が絶対条件です。
決算処理や税務申告は法律が絡み、手続きも煩雑なため、多くの企業では税理士と連携して正確に進めています。
年末調整

事業年度を会社ごとに自由に決められる決算とは異なり、年末調整は毎年末に実施する必要があります。
年末調整とは、毎月の給与から源泉徴収された所得税を、1年分まとめて再計算し、実際の納税額と過不足を調整する作業です。
上記画像のとおり、企業は従業員の給与から概算で税金を天引きし、国に納めています。
しかし、その金額はあくまで概算のため、年末に本来の税額との差額を調整しなければなりません。
調整が完了した後は、翌年1月31日までに源泉徴収票を発行するのが一般的な流れです。
この作業には法律で定められた期限があるため、ミスなく効率的に進めることが求められます。
勤務先の会社規模による業務の違い

経理事務の仕事内容や担当業務は、勤務する会社の規模によって異なります。
一般的に、大企業では業務が細分化され、専門性が求められるのに対し、中小企業や小規模事業者では、経理以外の業務も幅広く担当するケースが多くなります。
以下では、会社規模ごとの経理事務の特徴や違いについて詳しく解説していきます。
大企業
経理事務として大企業に勤務する場合、業務が明確に分かれていて、自分の担当範囲が限定されていることが一般的です。
例えば「請求書の処理」や「仕訳入力」など、決まった作業を専門的にこなします。
そのため、ひとつひとつの業務をじっくり学べる環境が整っており、マニュアルや研修制度が充実している会社も多い傾向にあります。
特に、未経験者でもOJT(現場での教育)を通じて徐々に業務に慣れていける体制が整っているため、初めての経理事務でも安心して始めたいという人には、大企業はおすすめです。
ただし、大企業では新卒採用を重視している企業が多く、中途採用の枠が限られる場合があります。採用倍率も高く、応募時の競争率が高くなりやすい点には注意が必要です。
中小企業
中小企業の経理事務では、1人または少人数で複数の業務を担当することが多くなります。
たとえば、
- 仕訳入力
- 請求書の発行
- 入出金管理
- 給与計算
- 年末調整
- 決算補助
など、経理の一連の業務を広く担当することになるため、実務経験を早く積みたい方には最適な環境といえます。
日々の業務を通して、自然と知識やスキルが身についていくため、将来的に経理のプロを目指す人にとっては大きな成長機会となるでしょう。
一方で、担当範囲が広いため業務量も多くなりがちです。柔軟な対応力やマルチタスク能力が求められるため、「臨機応変な対応が苦手」という人には、負担に感じることもあるかもしれません。
小規模事業者・個人事業主
従業員数が10人未満のような小さな会社や、個人事業主のもとで働く経理事務は、経理だけでなく庶務や総務、労務、人事の仕事も一緒に担当することがあります。
たとえば、
- 来客対応
- 備品の発注・管理
- 勤怠管理
- 求人対応
- 社会保険関連の手続き
こうした環境では、即戦力としての活躍が期待されるため、事務経験がある人や、一定の経理知識を持っている人に向いています。
会社全体の事務業務を一手に担う存在となるため、「経理だけでなく幅広い業務を経験したい」「会社の中で頼られる存在になりたい」と考える人には、とてもやりがいのある職場となるでしょう。
ただし、人数の少なさゆえにサポート体制が手薄になりやすい点には注意が必要です。
業務上の問題を自分1人で解決する場面も多くなるため、ある程度の自己解決能力や自主性が求められます。
経理事務に向いている人

経理事務の仕事は、企業のお金の流れを正確に管理しなければなりません。
そのため、どんな人でも向いていて誰にでもできる仕事というわけではなく、ある程度の向き不向きがあることも事実です。
ここでは、経理事務に向いている人の特徴を3つ紹介します。
物事を計画的に進められる人
コツコツと段取り良く進めるのが得意、締切は必ず厳守するといった責任感の強い人は、経理事務の仕事に向いているといえるでしょう。
経理事務は、月末の締め処理や年に一度の決算業務など、決まった期日に合わせて業務を完了させなければならない仕事が多くあります。
たとえば、請求書の処理が月末に集中することが多いので、忙しくなるタイミングを事前に見越して他の業務を前倒しするなど、先を読んだ行動が必要です。
そのため、以下のようなスケジューリング能力が求められます。
- 後回しにせず、計画的に進められる
- 先を見越して準備できる
几帳面でミスが少ない人
経理の仕事では、数字の入力や書類チェックなど、正確さが求められる作業が日常的に発生します。
一つの入力ミスが取引先への誤請求や税務処理のミスに繋がることもあるため、注意深く、ミスの少ない性格が求められます。
たとえば、金額の桁を間違えた、請求先を別の企業と取り違えたなど、こうしたミスは会社の信頼問題にも発展しかねません。
そのため、経理事務では以下に当てはまる人に向いているといえるでしょう。
- 几帳面な性格
- 細かい確認が苦にならない
- 確認作業が得意
数字に強く計算が得意な人
現在の経理事務では多くの企業が会計ソフトを導入していますが、それでも日常的に細かい金額のチェックや簡単な計算が求められる場面は多くあります。
たとえば、経費の精算で端数の処理をしたり、差額の原因を突き止めたりといった作業などです。
以下に当てはまる人は経理事務の業務に自然と適応しやすくなるでしょう。
- 数字を見るのが苦にならない
- 計算が得意
- 数値の整合性を取るのが好き
一方で、数字を見ることや、計算が極端に苦手な人にとっては、プレッシャーに感じる場面が多くなるかもしれません。
経理事務のやりがい・メリット

経理事務は地道な作業が多い一方で、着実にスキルや知識が身につく点も大きな魅力です。
前述したように向き不向きはあるものの、資格を必要としないため未経験からでも始めやすく、将来的にキャリアアップにもつながるチャンスがあります。
ここでは、経理事務の代表的なやりがいやメリットを紹介します。
パソコンスキルが自然と身につく
経理事務は業務を通して、Excelや会計ソフトを使いこなす力が身につきます。
Excel:関数を使用した精算書等の作成やピボットテーブルによるデータ分析など応用的な機能を扱う機会がある
会計ソフト:仕分入力や帳簿作成、決算書の作成補助など日常的に活用する
こうしたスキルは経理の現場だけでなく、他の事務職や管理部門などでも広く求められます。
そのため、転職やキャリアチェンジをする際にも武器となる点は大きなメリットといえるでしょう。
経営や会計の知識が得られる
経理の仕事では、日々の取引データや月次・年次決算を扱う中で、自然と会社のお金の流れや経営状況に触れる機会が多くなります。
たとえば「この部署のコストが高い」「売上が前月より伸びている」といった経営上の変化に、数字を通して気づけるようになるでしょう。
また、損益計算書(PL)やキャッシュフロー計算書(CF)などの財務諸表を読む力も実務の中で養われていきます。
経理事務は「経営に最も近いバックオフィス職」とも言われており、会社全体の動きを広い視野で捉える力が身につく点に魅力を感じる人も少なくありません。
特別なスキルや資格がなくても働ける
経理事務は専門職のイメージが強いかもしれませんが、実際には未経験可の求人も多く、特別な資格やスキルがなくても始められる仕事です。
特に、サポート的なポジションやアシスタント業務であれば、特別な資格やスキルがなくても始められることがほとんどです。
「事務職としてキャリアを積みたい」「働きながら専門性を高めていきたい」という方には、挑戦しやすい職種といえるでしょう。
ただし、産休代替などの期間限定募集や、即戦力を求めている企業では、経理経験者が優遇される傾向にあります。
そのため、応募前に「経験不問」「未経験歓迎」といった条件の有無をしっかり確認することが重要です。
経理事務はしんどい?大変な点と働く前にしっておきたいポイント

経理事務はスキルや知識が身につきやすい一方で、業務の正確さや責任が求められる仕事です。
実際に働き始めてから「思っていたより大変だった」と感じる人も少なくありません。
ここでは、働く前に知っておきたい経理事務の大変なポイントを紹介します。
責任重大でミスが許されない
経理事務では請求金額のミスや伝票の処理の抜けといった小さなミスが、会社の信頼や資金繰りに大きな影響を与えることもあります。
そのため、日々の業務には常に高い集中力と正確性が求められます。
数字を扱うプレッシャーが苦手な人にとっては、精神的に負担に感じることもあるかもしれません。
しかし、会社の経営を近くで支えることができる経理事務は、大変である以上のやりがいを感じる人も多くいます。
業務の専門性が高く覚えることが多い
経理の仕事では、会計用語や帳簿の付け方、税務に関する基本的なルールなど、専門的な知識を習得していかなくてはりません。
たとえば、帳簿作成では貸方・借方への仕分作業や転記といった簿記のルールに基づく正確な処理が求められます。
特に未経験からスタートする場合は、「最初は何をやっているか分からなかった」という声も多く、慣れるまでに一定の時間がかかります。
ただし、コツコツと継続していけば確実にスキルが身につくため、前向きな姿勢で取り組むことが大切です。
月末や決算前の繁忙期は忙しい
経理業務には「締め日」や「決算日」といった明確なスケジュールがあるため、月末や年度末などの繁忙期には業務が一気に増えます。
「普段は定時で帰れるけど、月末は残業が当たり前」というケースも多く、締め日前や決算前など状況によっては休日出勤が必要になることも珍しくありません。
ワークライフバランスを重視したい人にとっては、その点も事前に確認しておきましょう。
未経験で経理事務は難しい?

未経験からでも経理事務にチャレンジすることは可能です。
実際に「未経験OK」「経理補助からスタート可」といった求人も多く、基礎から経験を積める環境が用意されています。
ただし、まったくの知識ゼロ・パソコン操作も不慣れという状態では不安を感じやすいため、基本的なPCスキルや簿記の知識を身につけておくと安心です。
「本当に自分に向いているのか不安」「いきなり経理に飛び込むのはハードルが高い」と感じる方には、以下のような段階的な働き方で見極めていく方法もおすすめです。
- ステップアップ型の働き方
まずは派遣社員や経理アシスタントとして働きながら、実務経験を積み、徐々に業務の幅を広げていく方法です。働きながら知識を身につけられるため、未経験からでも無理なくスキルアップが可能です。 - スモールステップ型の働き方
いきなり経理ではなく、データ入力や一般事務など、比較的難易度が低く経理に通じる事務職からスタートする方法です。職場の雰囲気や事務系業務の流れに慣れた上で、経理職にステップアップできます。
このように、段階を踏んで少しずつスキルを積むことで、未経験でも経理事務の仕事に無理なくチャレンジできます。
未経験から経理事務を目指す人に必要なスキルとは

未経験から経理事務を目指すには、まずは知識とスキルの習得を目指しましょう。
経理事務の仕事には、業務に直結する「テクニカルスキル」と、業種を問わず活用できる「ポータブルスキル」の両方が求められます。

これらのスキルには以下のような違いがあります。
テクニカルスキル
テクニカルスキルとは、経理事務の実務に必要な「会計の知識」や「PC操作スキル」のことを指します。主に下記のようなスキルが該当します。
| スキル名 | 説明 |
| 簿記の知識 | 仕訳、貸借、勘定科目など、帳簿をつけるための基本的な会計知識 |
| 会計ソフト操作 | 会計ソフトを使った仕訳入力や帳票作成スキル |
| Excelスキル | 関数、ピボットテーブルなど、データ処理や分析などの操作 |
| 税務知識(初級) | 消費税・源泉所得税の基本的な計算や申告手続きの流れの理解 |
現時点でこれらのスキルが身についていなくても、過度に不安に感じる必要はありません。
ただし、経理事務として働く中で求められるスキルであるため、実務を通じて少しずつ習得していく意欲が大切です。
ポータブルスキル
ポータブルスキルとは、どの職種・業種でも応用が効く「仕事の進め方」「人との関わり方」に関するスキルです。経理においても非常に重要です。
| スキル名 | 説明 |
| タイムマネジメント | 月次・年次など期日厳守の業務が多いため、スケジュールを守る力が不可欠 |
| マルチタスク処理能力 | 複数の帳簿作業・処理を同時並行で進めるための整理力や優先順位づけのスキル |
| コミュニケーション力 | 他部署との情報共有や、上司・同僚への報告・相談を適切に行う能力 |
| 正確性・几帳面さ | 数字を扱う業務において、ミスを防ぐための注意力 |
| 論理的思考力 | 取引内容の理解や仕訳判断において、筋道を立てて考える能力 |
さらに以下では、経理事務未経験者が特に必要とされるスキルについて、より詳しく紹介していきます。
経理事務に必要なテクニカルスキル

前述したように、テクニカルスキルとは経理事務で用いる専門知識やスキルのことです。
以下では、経理事務に求められるテクニカルスキルについて解説します。
基本的なPCスキル
経理の仕事では、日々の業務の大半がパソコンを使った作業です。
最低限、以下のスキルを身につけておきましょう。
- タイピング
- Excelの基本操作(足し算や掛け算などの四則演算、SUM関数、表作成など)
- ファイルやフォルダの整理・管理
上記のスキルは比較的すぐに習得可能で、未経験者でも取り組みやすいスキルです。
加えて、MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)資格を取得しておくと、PC操作スキルの証明となり、転職活動時にも有利です。
簿記や会計の基礎知識
未経験者向けの求人でも、日商簿記3級程度の知識を持っておくと、業務内容の理解が格段に深まります。
簿記の基本的なルールを身につけておくことで、ミスを防ぎやすくなります。
仕訳や帳簿の付け方、貸借の仕組みや用語など、会計の基礎知識を習得しておくといいでしょう。
簿記・会計でよく使われる用語一覧
| 仕訳(しわけ) | 取引を帳簿に記録する際に、勘定科目を使って内容を整理すること |
| 勘定科目 | 取引の内容を分類するための項目。例:現金、売上、仕入、給与など |
| 貸方(かしかた) | 仕訳の右側。資産の減少、負債の増加、収益の発生などを表す |
| 借方(かりかた) | 仕訳の左側。資産の増加、負債の減少、費用の発生などを表す |
| 売上 | 商品やサービスを販売して得た収益 |
| 仕入 | 商品を仕入れたときに使う費用の勘定科目 |
| 賃借対照表 | 一定時点の会社の財政状態(資産・負債・資本)を表す表 |
| 損益計算書 | 一定期間の収益と費用を比較し、利益や損失を示す表 |
| 収益 | 事業によって得るお金(売上)や資産の増加分のこと |
| 費用 | 経営のために使われるお金(仕入、人件費、光熱費など) |
| 純資産 | 資産から負債を差し引いた、会社が実質的に保有する財産 |
経理事務に必要なポータブルスキル

ポータブルスキルとは、前述したように業界や職種に関係なく活用できる持ち運び可能なスキルのことです。
以下では、経理事務に求められるポータブルスキルについて解説します。
正確性
経理事務において最も重要なスキルといっても過言ではないのが「正確性」です。
数字を扱う業務が中心となるため、細かい作業にも集中して取り組める注意力や、見直しを怠らない丁寧さが求められます。
正確性を高めるには、日々の業務の中で「ミスを防ぐための工夫」を習慣化することがポイントです。
日ごろから、ダブルチェックの習慣や作業ごとのチェックリスト化といった日々の積み重ねが重要となるでしょう。
コミュニケーションスキル
経理事務に求められるスキルの中で、意外と見落とされがちなのがコミュニケーションスキルです。
社外とのやり取りは少ないものの、社内では各部署と連携しながら業務を進める場面が多くあります。
また、未経験者の場合は先輩社員から仕事を教わる機会も多く、基本的なビジネスマナーや丁寧な対応が欠かせません。
営業職や接客業ほど頻繁に人と接するわけではありませんが、円滑なやり取りができることで業務効率も上がります。
特に仕事に慣れるまでは、上司や周囲への「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」を心がけることが、スムーズな職場環境づくりにもつながります。
マルチタスクスキル
経理の業務は、日々発生する処理(日次業務)と、月末・決算などの定期処理(月次・年次業務)を並行してこなす場面が多くあります。
こうした業務を効率よく進めるには、マルチタスクスキルといった同時に複数業務をこなす力が重要です。
段取りよく動ける人ほど、現場で重宝される傾向があります。
タイムマネジメントスキル
経理には、月末の締めや年度末の決算処理など、厳守しなくてはならないスケジュールが数多くあります。
そのため、限られた時間の中で効率的に作業を進めるタイムマネジメントスキルが求められます。
タイムマネジメントとは限られた時間を効率的に使い、目標達成のための計画と行動を管理することです。
優先順位を見極め、計画的に業務を進める力が、仕事の正確さとスピードを両立するカギとなります。
未経験から経理事務に転職するための4ステップ

経理事務は未経験からでも目指すことができる職種ですが、転職準備をしておくことでよりスムーズな転職活動が可能になります。
ここでは、未経験から経理事務を目指す方に向けて、転職するための4ステップをご紹介します。
1. 経理事務に必要な知識や資格を取得する
まずは、経理業務の基礎となる簿記の知識や基本的なPCスキルを身につけましょう。
なかでも日商簿記3級は、未経験者向けの求人でも歓迎される代表的な資格です。
また、MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)資格も、WordやExcelのPCスキルがあることの証明として評価されます。
独学や通信講座、ハローワークの職業訓練など、学ぶ手段は多様です。知識を得ることで求人への応募ハードルが下がり、自信にもつながります。
2. 自分の持つスキルを棚卸する
次に、自分の持つスキルを整理しましょう。
事務職未経験といっても、これまでの仕事で身につけたスキルの中には、経理事務に活かせる強みがたくさんあります。
たとえば、前述した「コミュニケーションスキル」や「マルチタスクスキル」、「タイムマネジメントスキル」は経理事務に通じるものです。
その他にも、経理事務において以下はポータブルスキルもアピールできるでしょう。
経理事務に汎用できるポータブルスキルの代表的な例
・コミュニケーションスキル
・問題解決スキル
・プレゼンテーションスキル
・情報整理力
・マルチタスク処理能力
・計画力
・時間管理能力
・分析力
・接客対応力
・チームワーク
・正確性
・リーダーシップ
・柔軟性
・ストレスマネジメント
・自己管理(セルフマネジメント)
まずは自身の経験を棚卸して、
- どんな作業が得意だったか
- 評価を得てきた業務は何であったか
を振り返り、これまでに得たポータブルスキルを整理してみましょう。
3. 自己分析を徹底する
スキルの棚卸ができたら、自分の強みや価値観を見直すために、自己分析を行いましょう。
自己分析には、厚生労働省の「エンプロイアビリティチェックシート」 と「ジョブ・カード」の活用がおすすめです。
「エンプロイアビリティチェックシート」:自分の強みやPR材料を整理できる
「ジョブ・カード」:自分がどのようなキャリアを目指したいかが明確になる
4. 経理事務として働きたい理由を明確にする
最後のステップは、志望動機の整理です。
これまでの3ステップで得た情報をもとに、「なぜ経理事務として働きたいのか」「なぜ自分が経理に向いているのか」を言語化しましょう。
未経験者が志望動機を書く際に特に大切なのは、「自分のどんな経験や性格が経理事務に向いているか」を具体的に伝えることです。
経理は数字を扱う専門性の高い仕事であり、企業にとって信頼性の高い人材が求められます。
たとえば、以下のようなアピールポイントが考えられます。
- 数字を扱う作業や集計が得意で、正確さに自信がある
- ルールに従って物事を処理することに抵抗がなく、ルーティンワークであっても丁寧な作業を継続できる
- 裏方として会社を支える仕事にやりがいを感じる
これらを過去の実体験と結びつけて伝えることで、未経験であっても説得力のある志望動機になります。
志望動機の例①
前職では飲食店の店長として、売上管理やシフト調整などの業務に携わってきました。
なかでも、月次の売上集計や経費管理といった数字に関わる業務にやりがいを感じ、「もっと数字に特化した仕事がしたい」という思いから経理事務を志望するようになりました。
現在は日商簿記3級を取得し、Excelの基本操作や関数も習得済みです。
未経験ではありますが、これまでの店舗運営で培った数値管理の経験と、コツコツ正確に業務に取り組む姿勢を活かして、経理事務として成長していきたいと考えています。
志望動機の例②
現在は医療事務として、クリニックで5年間パート勤務をしてきました。
診療報酬の請求や患者様の対応、会計処理など、事務全般を担当してきましたが、その中でも特にレセプト処理や経費管理といった「数字を扱う業務」に面白さを感じていました。
また、子どもの小学校入学を機に、これまでのパート勤務から正社員として安定した働き方にシフトしたいと考えるようになりました。その中で、学生時代に学んだ簿記の知識を活かしながら、社内業務が中心となる経理事務に強い関心を持つようになりました。
簿記3級は高校在学中に取得済みで、現在はブランクを補うために市販のテキストで復習を進めており、Excelの基本操作や関数も独学で学んでいます。
未経験ではありますが、これまでの事務経験や、コツコツと業務に取り組む姿勢を活かし、御社の経理チームの一員として貢献していきたいと思っています。
経理事務に転職する方法

経理事務は専門性が求められる一方で、人気のある職種のため、採用枠は限られていることもあります。
そのため、求人情報を効率的に収集し、自分のスキルや経験に合った方法で転職活動を進めることが重要です。
ここでは、主な転職方法として「求人サイト」「転職エージェント」「転職イベント」の3つをご紹介します。
求人サイトで効率よく求人を探す
求人サイトは、幅広い求人情報を検索できる便利なツールです。
転職活動を効率的に進めるためには、求人サイトを上手に活用しましょう。
求人サイトでは、新着求人が毎日更新されているため求人数が多く、より多くの選択肢から自分に合った求人を効率的に見つけることができます。
【求人サイトの特徴】
- 業界別の求人検索ができる
- 希望の条件を登録しておくと、マッチした求人を自動で通知してくれる
- 条件で求人情報を絞れるため、希望する求人を見つけやすい
求人ジャーナルネットでは、地域密着型の求人総合サイトとして、幅広い求人情報を掲載しています。
全国47都道府県ごとにトップページを設け、職種や地域、雇用形態などの詳細な条件で、希望にあった求人を簡単に検索できます。
自分のスキルや希望にあった経理事務の求人を見つけてみましょう。
転職エージェントのサポートを受ける
転職活動が初めて、または転職回数が少ない場合は、転職エージェントの活用がおすすめです。
特に、転職の経験がほとんどない方は「即戦力としてのアピール方法」や「希望条件に合った求人の選び方」に悩むことが多いため、専門的なアドバイスを受けることをおすすめします。
転職エージェントでは一人ひとりに担当のキャリアアドバイザーが付き、求職者のスキルや希望条件をもとに適職を提案してくれます。
また、非公開求人の紹介や、応募書類の添削、面接対策のサポートも受けられるため、よりスムーズな転職活動が可能です。
利用の流れ
まずは転職エージェントへ登録しましょう。
申し込みが完了すると、担当エージェントよりメールにてレジュメ作成のURLが届きます。
レジュメとは、経歴を記入するフォーマットのことです。
記入したレジュメを基に、担当エージェントよりスキルや希望にあった求人情報を紹介します。
自分の適職が分からない場合は、個別のキャリアアドバイスも行います。
応募したい企業が見つかったら、担当エージェントが転職希望者と企業のスケジュール調整を行い、面接の日程を決定します。
面接終了後、採用の可否を担当エージェントよりご連絡します。
雇用契約まで転職エージェントでサポートします。
不安なこと、不明な点があるときは担当エージェントに相談すると良いでしょう。
上記は転職エージェントの利用の流れの一例ですが、このようなサービスを通じて、キャリアアップや新たな挑戦をサポートしてくれます。
転職フェアなどの合同企業説明会に参加する
転職イベントやセミナーに参加することで、オンラインでは得られないリアルな情報を収集できるだけでなく、企業の採用担当者と直接話すことができる貴重な機会です。
リサーチ不足による転職失敗を防ぐためにも、企業の社風や職場環境を事前に確認することは非常に重要です。
そのため、現場の声を直接聞ける対面型のイベントに参加するメリットは大きいといえるでしょう。
転職イベントに参加するメリット
- 企業の採用担当者と直接話せる
→ 企業の雰囲気や求めている人材像を知ることができ、面接対策にも役立つ。 - 面接時よりも質問しやすい
→ 形式ばった面接とは異なり、気軽に質問しやすい。 - 相談コーナーや求職者向けセミナーで就活のヒントを得られる
→ 専門スタッフから転職に関するアドバイスを受けられる。
転職イベントの詳細は、求人ジャーナルが運営する「転職プラザ×就活プラザ」のホームページで確認できます。
経理事務によくあるQ&A

- 経理事務と一般事務の違いは何ですか?
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一般事務は、電話対応・来客応対・書類作成・データ入力など、会社全体の事務業務を幅広くサポートする役割です。
一方、経理事務は「お金」に関する処理を専門に行い、仕訳・帳簿管理・請求書作成・伝票処理などが主な業務内容です。
つまり、経理事務は会計に特化した“専門職寄り”のポジションであり、基本的に他の事務作業は行わないといった特徴があります。
ただし、会社の規模によって経理と労務、総務といった他業務と兼務する場合もあるため、業務範囲については会社へ確認するといいでしょう。
- ブランクがあるけれど大丈夫ですか?
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ブランクにはいくつかの種類があります。
実務経験にブランクがある場合
以前経理業務をしていたけれど数年離れていた…というケースでも、基本的な流れを覚えていれば再スタートは十分可能です。会計ソフトや制度の変更があるため、アップデートしておくと安心です。経理の学習・資格取得が止まっていた場合
途中で簿記の勉強を辞めていた・以前簿記の勉強をしていて資格はあるという人は、今から勉強を再開しましょう。日商簿記3級程度からスタートすると、未経験者でも理解しやすく、取り組みやすいでしょう。
ブランクがあるから…とあきらめず、今からできることを意識して行動してみてください。
- パートや派遣から正社員になる道はありますか?
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はい、あります。
経理事務は専門性がある一方で、人柄や業務姿勢も重視される職種です。
そのため、まずはパート・派遣・アルバイトとして経験を積み、実績を評価されて正社員登用されるケースも少なくありません。
特に中小企業では、即戦力として活躍できる人材を正社員として迎え入れる傾向があります。
コツコツ真面目に働く姿勢が、将来への道を開いてくれるでしょう。
- 経理事務の将来性はありますか?
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近年、会計ソフトの普及やAIによる自動化により、経理業務の一部は効率化が進んでいます。
特にルーティン的なデータ入力や簡単な集計作業は機械に任せられる部分が増えてきました。しかしその一方で、以下のような人間にしかできない業務は今後も必要とされ続けます。
- 状況に応じた判断・提案
- 他部署との調整やコミュニケーション
さらに、今後も安定して働き続けるためには、以下のような努力も必要です。
- 日商簿記などの資格取得
- 領域を広げるための業務改善・分析力の習得
- 経理だけでなく他部署と連携するための他部署の知識と姿勢
ルーティンワークにとどまらず、“頼られる経理”として成長し、会社から必要とされることが、将来の安定につながります。
経理事務に転職するなら求人ジャーナルネットで!

経理事務は会社のお金の流れを管理し、経営を支える重要なポジションです。
未経験からでも挑戦しやすく、実務を通じて専門スキルを身につけられることができるため、着実な成長とやりがいを感じられるでしょう。
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